第2章 甘くて苦い
mside
ニノが俺を受け入れてくれてから、俺がニノに提示したもの。
ーーー『お試し期間…?』
『うん。まずは何ヶ月か、試しに付き合ってみない?』
『…それは、俺が大野さんを好きだから?』
『……そうだけど、そうじゃない。
あのさ、今俺、ニノが頷いてくれてマジで嬉しい。
…でも、ニノの優しさにつけ込んで無理やり、とか嫌なんだ。チャンスをくれなんて言っといて今更なんだけどさ…苦笑
ちゃんとニノが俺のこと好きになってくれたら、…俺と付き合いたいってもしも思える時がきたら。
…その時、本当の恋人になってほしい。
俺も、ニノにそう思ってもらえるよう努力する。
……それでも、もし、やっぱり無理だってなったら…その時はちゃんと振って?俺も、ニノのこと忘れられるように努力するから。
だからそれまで、俺と「コイビトごっこ」、してくれない…?』ーーー
…以来、俺とできる限り一緒にいてくれるニノ。
週に2〜3日は飲みに行ったり、お互いの家にいったりするようになった。けどそれまではほとんど2人っきりで飲みにいくことなんてなかった俺ら。
…勘のいいメンバーだ。特に翔さんなんかは、何か気付いてるかもしれない。
でも一番俺が恐れていたのは…大野さん。
俺とニノが話している時、よく視線を感じるようになった。大野さんがもしも動き出したら……
…俺はある決意を固めていた。