第1章 入寮のススメ!(プロローグ)
がちゃっ
「「うわぁっ!!」」
ドアノブを回すと、目の前にはめがねをかけた学生服の男の子が立っていた。
「「す、すみません!!」」
ほぼ同時に叫び、ほぼ同時に謝った。
「あ、僕は怪しい者ではありません、えっとここに住んでいる者で、志村新八と言います!!」
だいぶあわてた様子で自己紹介された。
「あ、私は宮部あやと申します…。
今日から寮母に、なりました」
なんかへんな自己紹介になってしまった。
おかしくなかったかな、とどきどきしてしまう。
女子ばっかりの学校卒なので、男性と話すの緊張してしまうっていうのもあるけど…。
「あ、坂本さんから聞いてます。
一応、僕が宮部さんをサポートするようにと言われていますので
それでここにきたんです…」
あ、そういえばオーナーもそんなこと言ってたな。
なまりでほぼ聞き取れなかったけど。
「なんかすみません。学生さんにいろいろ案内してもらってしまって…」
こっちはお金もらっているのに申し訳ない。
「ああ、いいんです。実は寮母さんがほしいってお願いしたのが僕でして…。ああ、まあ正しくはもう一名いたんですけど」
「そうだったんですね!」
「実は、僕がいろいろ食事の準備とかしたりするかんじになっちゃってて、まあもう一人いるんですけど」
と、そんな会話をしていると、廊下の物をいろいろ踏み散らかしながら走ってくる物音がこちらに近づいてきた。
しかし、扉の前まできた時、物音が消え、一瞬シンとしたかと思うと、控えめに扉をたたく音がした。
一度新八くんと目を合わせた後、
「…はーい」
と返事をして扉を開けた。