第1章 入寮のススメ!(プロローグ)
こうして二階へやってきた。
とにかくひどい有様だった。二階なのになぜかスクーターが置いてあったり、弦のちぎれたギターだの空気が抜けたボール数種類だの…。
さすが男所帯!
物を踏まないように廊下を歩き、一番奥の部屋にやってきた。
預かった鍵を開け、足元の板が剥がれた汚い扉を開けると、ほこりくさい香りが充満している。
「…やることは…たくさんありそう」
とりあえず、自分の部屋を使えるようにすることが最初の仕事のようだ。
現在時刻午後3時。
部屋の掃除がまだ終わらない。
汚れもひどいし、少しだけ持ってきた荷物の片付けも、結構手間がかかる。面倒くさくなってきた。
部屋はこじんまりとした1DKで、ここのキッチンスペースでご飯を作るんだと思われる。
新品のオール電化キッチンでした。ダイニング部分のせまさに比べてキッチンの充実加減はんぱねえ。
「必要な物、買ってこないとなぁ…」
立地だけはすばらしくて、目の前にスーパーがあるのです。
夕飯を作らなくてはならないので、掃除は中断し目の前のスーパーへ買出しに行くことにした。