第2章 寮生活ひと月め☆
時は16時半。
買い出しに行ってきたので、これからお料理開始です。
(そろそろ来るかしら)
「あやちゃーん!」
きた!
「今日はご飯何?」
勢いあまって四つんばい体勢のまま、靴をバタバタして脱ぐ、神威少年。
そろそろ来るころと思いドアを開けておいて正解だった。おかまいなしでふっ飛ばしちゃう馬鹿力さんだからなぁ。
最初はめっちゃ怖かったけど、思いのほか人懐っこいしこどもッぽい人だった。なぞの迫力があるけど。
「今日は~…ブリ大根定食です~」
渋めのチョイスなのはお許しくださいませ。
鍋に向かっていると、ボスッと肩に腕がかぶさって後ろから抱きしめられる。
(なんだかすごく懐かれている…)
沖田さんがやるとセクハラくさいけど(?)この子はあんまりそんな感じしないんだよね~。
甘えん坊なのかしら?
そんなことを考えながら味見をしていると、「俺も俺も」と言ってきたので一口あげた。
「俺、あやちゃんのこと好きだよ」
味見をしながらいつものセリフを言う。
はいはいありがとうございます、と言って聞き流していると、沖田さんが入ってきた。