第2章 寮生活ひと月め☆
さてさて、今日は夕飯前に、廊下の掃除をボチボチ始めようと思います。
まずは気になるスクーターなのですが、ここの住人ではない通称『銀さん』なる人が所有者らしいのです。
週四で新八くん家に泊まりに来ているらしいので、待ち伏せしていれば接触できそう。
そのほかは捨ててしまって良いということなので、とりあえずスクーター以外は片付けてしまうとしよう。
いらない物を、引越し時に使ったダンボールにまとめ、掃き掃除をしていると、見覚えのない男性が歩いてきた。
「…」
「…」
お互いにダレや?という顔をしていたと思います。
学生服を着ていたので、銀玉の生徒だと思うのですが、ご飯のときにはいない子だったので、この寮の子ではないのかな。
「あの、ここの寮の子ですか?」
「いや、俺は違う。ここに女性とは珍しいが…
銀時の女か何かか?」
「え?チガイマスヨ!そして、なぜギントキさん!?私はここの寮母です!坂本オーナーに雇われた!」
「ああ、坂本のね」
少し冷えた感じの子。
ミステリアスな雰囲気のある、やっぱりイケメンでした。
(最近イケメンばっかり見てるせいか耐性がついてしまった…)
と関係ないことを考えながら、掃除を一旦中断した。
「で、君は、なぜここに?」
「河上万斉に用があったんでな。201号室」
そう言って彼は私の立っているすぐ近くの扉を指した。
ああ、邪魔ってことか。私はすごすごと避けると、すぐにドアが開いた。
中からグラサンにヘッドホンの子が出てきた。
そういえばこの子も今日はじめてかも!と思ったけど、特に興味なさそうにドアを閉められた。
「最近の若いもんは、まったく!」
年がいくつも変わらないにもかかわらず、そんな文句を言いながら掃き掃除を続行した。
数時間後、見違えるようにきれいになった二階の廊下。ビフォーア●ターの音楽を流してほしいくらい。
ただ大量のごみをまとめるのがまだなので、そっちのほうが時間かかりそう。
廊下のできばえにほれぼれしていると、目の前に白髪の白衣の男がタバコをふかして立っていた。
「ちょっと寮母さん?これ貼ったのあんたか?」
そう言って、例のスクーターを指差した