【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第6章 〜コナンとバーボン、密室事件〜
「知っていたことなのに…」、と安室にしか聞こえない声で椎奈が呟かれ、彼は目を見開いた
椎奈「本当は一人でもなんとかできたものなんです…でも脳震盪になって、あなたに助けを求める正常な判断も出来なくて…携帯も危ないからと車の中だし…石栗さんの部屋で持ってきてもらったゼリー食べたら眠くなって…寝てしまって…」
安室「!! ゼリー…?」
小声で語られる後悔ばかりの言葉に僅かな引っかかりを見つけたらしい安室
部屋を見回し、中身が入ったままのゼリーの容器をゴミ箱で見つけた彼はハンカチでそれを手に取り顎に手を当て考える
安室「(…なるほどな。彼女はもともとこの事件を止める気だった。けれど誤って脳震盪になり、その影響で犯行を許してしまった…。でも気になるのは彼女が食べたというゼリーだ。そもそも未来を知る彼女は眠気があれど未来の犯行現場で寝るはずがない。中には睡眠薬が入っていた可能性があるな。それを食べたということはその存在を知らないということ…)」
安室はそこまで考えをまとめると、ゼリーを鑑識に渡してNAME1#の肩にそっと手を置いた
安室「…話してくれてありがとう。椎奈さん、石栗さんが死んだのはあなたのせいじゃありません。悪いのは犯人だ。僕が必ず犯人を見つけ出します」
椎奈「!!安室さん…」
安室には珍しい力強い眼差しに、椎奈は目を丸くしたが安堵して漸く表情を和らげた。そして安室に連れられ、2人も小五郎たちのいるリビングに向かった
*
毛利「なに?! 密室殺人だと?! 遺体が扉を塞ぐように倒れてたのに、なんで殺人なんだよ!!」
横溝の捜査結果を聞き、小五郎が凄い剣幕で噛み付いた。すると、横溝は混乱した様子で小五郎に説明する
横溝「で、でも部屋にいた椎奈さんが…。大きな音がしたすぐ後に遺体や花瓶に触ったらしいですが、どちらの血も乾いていたと…」
小五郎「椎奈ちゃん、それは間違い無いのか?」
椎奈「はい」
小五郎の質問に淀みなく答えて見せた椎奈。だが、小五郎の顔は険しいままだ
小五郎「だがなぁ、その音が本当に花瓶の落ちた音が分かりゃしねーし、大体、密室を作るような知能犯がそんなすぐバレるような犯行をするはずが───」