【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第17章 〜仲の悪いガールズバンド〜
山路さんはきちんと首藤さんに謝罪したし、喉が回復するようにちゃんとしたアドバイスもしていた。
そして首藤さんが自殺したという事件は、実際には車に轢かれそうな子供がいて、「無理に声を出したらダメ」という山路さんの言いつけを守って自ら飛び出し助けた結果死んでしまったんだ、と。
山路さんは、もうとっくに赦されていた。
真実を知った小暮さんは、その場に崩折れると後悔の涙を流した。
知っていれば歩めただろう4人の楽しい時間を夢見ながら…───
*
小暮さんが署に連れて行かれ、警察たちも現場作業を終えて帰ってしまった後。
私と安室さんとコナンくん、そして女子高生3人はもう解散しようと貸しスタジオの前に出た。
すると、店内には入れなかったユキが駆け足で寄ってきて出迎えてくれる
ユキ「にゃあ!」
椎奈「遅くなってごめんね、ユキ」
その場にしゃがんで両手を広げると、待ってましたと飛び込んでくる。私はそのまま体を抱きかかえ、撫で回した
世良「秀兄のギター、聴いてみたかったなぁ…」
不意に、ポツリと世良ちゃんが呟く。
近くにいた蘭ちゃんたちがそれに反応した。
蘭「あ…そっか、そのお兄さんって確か亡くなったって…」
園子「まさか刑事で殉職しちゃったとか?」
世良「ああ…。でもボクはどこかで生きてるって信じてるけど!それに日本の刑事じゃなくてFBIのエージェントだけどな!グリーンカード取るの大変だったらしいよ。」
蘭「だからお兄さん、アメリカに行ってたんだね…」
蘭ちゃんと園子ちゃんは世良ちゃんの兄が亡くなっていることに気付き、気まずそうな表情になった。けれど世良は生きていると信じているため特に暗くはない。
そこで、コナンが世良にその兄の名を尋ねた。
すると世良は満面の笑みを浮かべて自慢げに教えてくれた。
「赤井秀一っていうんだ!カッコイイだろー?」
その名前に、安室さんの周りの空気がピンと張りつめたのを感じた。
そして足元のコナンくんも、「やっぱり」と顔を強張らせる。
赤井さんの妹の出現は、僅かながらにも2人を動揺させるには十分な出来事だったようだ…。