【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第6章 〜コナンとバーボン、密室事件〜
椎奈「(そんな…っ今の音はまさか…っ…?!)」
体を起こし、ドアのところを見た椎奈はその光景に愕然となった。口を手で覆い、ハッと息を呑んだ
目の前にあったのは、石栗の遺体なのだから…
椎奈「(そんな…未然に防げたはずなのに…私は!!)」
なのになぜ、自分はベッドに寝ていたんだろう?
部屋を訪れた客は誰で、何をしに来ていただろう?
どうして犯行に気づけず、今まで遺体のある部屋で寝ていられたのだろう?
考えれば考えるほど、自分の置かれた状況に吐き気がこみ上げるほどの不快感が募る
パッと浮かんだ問題はこの際後でいい。そう思い直した椎奈は、遺体に駆け寄り現場を検証した
椎奈「(まず、血の付いた銅製の花瓶が凶器に間違いないようね…。血は乾ききっていて、クーラーがついてないから部屋も暑い…こうして現場を混乱させる算段ね。明らかに他殺。そしておそらく…)」
遺体から離れ、今度は椎奈は部屋のドアと窓の施錠を確認する。鍵は閉められていた
椎奈「(…やっぱり密室になってる。不可能犯罪ってわけね)」
彼女の中で、現場の整理をつけた。
するとその時、ガチャガチャッとドアの方から聞こえ勢いよくそちらを振り返った
なんの音かと彼女が警戒すれば、何やら鍵穴の位置から聞こえてくる様子
そしてしばらく後、鍵がグリンと回転して解除されるとドアが開いて遺体にぶつかった
駆けつけてくれたんだ。そう思った彼女はドアに近づいた
安室「おや、何かがドアを塞いで───」
椎奈「開けないで、安室さん!!」
安室「椎奈さん?!」
椎奈の大声と気迫に驚き、目を見開く安室
彼女は悔しげに唇を噛み締めながら、ドアを塞ぐように倒れる遺体に目を向ける
椎奈「開けちゃダメなの…ドアを塞いでるのは…石栗さんの遺体だから…」
安室「え?!!」
安室が絶句した声を上げる。
それとほぼ同時に、堪えていた気持ち悪さを感じ思わず口を押さえた
安室「?! 椎奈さん、もう少しの辛抱です!! 警察が来るまで、気分を落ち着かせて!!」
安室がドア越しで必死に椎奈へ呼びかける。
膝からくずおれた椎奈は、それに僅かな安心感を覚えたのだった───