【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第6章 〜コナンとバーボン、密室事件〜
突然聞こえた知らぬ声に、全員がそちらを向いた。
すると、慌てた様子で走ってきたらしい女性が安室の腕の中にいる気を失った椎奈を見て顔色を変えた
?「も、もしかしてその女性、ここまで飛んできたラケットにぶつかってしまったんですか?!」
安室「ええ。あなたは?」
桃園「わ、私は桃園琴音と言います。飛んできたラケットは私の不注意で飛ばしてしまったものなんです…私の別荘が近くにあるんで、よければこちらに!」
そう言って別荘に向かう桃園を追って、安室はホッとしたような顔で椎奈を運ぶ
その後ろを蘭に手を引かれて追うコナンは複雑そうな眼差しで安室を見上げた
コナン「(…いったいなんなんだ、姉さんに対するバーボンのあの表情!! あれじゃあまるで、姉さんのことを…)」
それ以上は考えたくない。コナンは頭を振って、握ってない方の拳を握りしめた。
その腕には小さなかすり傷があって、それを目にしたコナンは前に見える姉を心配そうに見上げた───
*
その後、桃園の別荘に着いた彼らは医者を呼び、よっぽど強い衝撃だったのか疲れが溜まってるのかまだ少しボーっとしている椎奈の診察をしてもらった
医者曰く、軽い脳震盪だそうだ
医者「手足がしびれたり、吐き気やめまいがした時は病院で検査してもらうように」
蘭「はい!」
最後に注意だけすると、医者はそのまま別荘を去っていった。
半分無心ですり寄ってくるユキを撫でる椎奈に、小五郎は安心したように笑いかける
小五郎「ふーっ。なんともなくて良かったな、椎奈ちゃん」
椎奈「はい。えっと…ここどこですか? 園子ちゃんの別荘じゃないみたいだけど…」
園子「ここは、お姉様にラケットをぶつけた───」
桃園「うちの別荘よ! ごめんなさい! 汗で手が滑っちゃって…」
園子の言葉を引き継ぐ形で、ラケットを飛ばしてしまったらしい桃園が手を合わせて謝る
すると、彼女の後ろにいたショートカットの女性──梅島真知が桃園に注意した
梅島「だから言ったのよ、クリップテープをちゃんと巻いておきなさいって。あんた汗っかきだし…」
?「けど、残念だなぁ!」
こんな場に似合わず、心底愉快そうな男の声が聞こえた。