【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第5章 〜ミステリートレイン〜
ーーー7号車B室
灰原「…それで、説明してくれるのよね? 椎奈お姉ちゃん」
組織の誰にも悟られず、私たちは無事にこの部屋にたどり着いた。
施錠して向かい合ってソファに座ると同時に、哀ちゃんが早速問うてくる
彼女はとても不機嫌そうな顔で、私はつい苦笑いしてしまった
椎奈「はは…。やっぱり怒ってる?」
灰原「あたりまえでしょ!!」
椎奈「仕方ないじゃない、敵を騙すには味方からって言うし…。おかげで不自然な事なくあの大女優を騙せるんだから」
灰原「それはそうだけど…!!」
椎奈「だから怒らないでよ。ね?」
私が彼女の前で手を合わせてウインクすると、哀ちゃんは半目で私を睨んでから盛大にため息をついた
灰原「…まぁ、私をここままで連れてくれたのはあなただし。許してあげるわ。ただし、その作戦とやらを聞かせてくれるんでしょうね?」
椎奈「ええ。もちろん───」
───まず、この作戦はベルモットの存在に気づいた哀ちゃんがみんなの側から離れる事で始まる
なぜなら、ベルモット側もそれを見越して作戦を企てているから
ならば、あえて望み通りに彼女が離れる展開を作り、一人になったと見せかけて私が哀ちゃんを7号車のB室に保護する
そして、作戦がバレる事ないよう母さんがベルモットと直接会えるように仕向け、彼女に変装グッズによるフェイクを仕掛けた
そのフェイクに引っかかった彼女は、哀ちゃんを見つけるために人の多いこの電車である騒動を起こす───
椎奈「…それが、今のこの騒動」
灰原「!!」
私がドアに視線を向けながらそう言うと、哀ちゃんは驚いて通路側に注意を向けた
すると、「8号車で火事だ!! 避難しろ!!」と火元である奥の8号車の人らしき者たちがドタバタと廊下を駆け回りながら7号車の人間とともに前の車両に逃げていく
椎奈「そうすれば、追い詰められたあなたの取る選択肢はただ一つ…」
灰原「一般人が一人もいない8号車に逃げるってわけね…」
椎奈「そう。たとえこの先にあなたの行動を先読みした組織の仲間があなたを待ちかまえようとも。ね」
灰原「でもどうするの? 本物の私がここにいたんじゃ、組織の目を欺けないわ」