【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第5章 〜ミステリートレイン〜
その時、ふと彼女が携帯を取り出しメールを確認し始めた。登録されてないアドレスらしく、それを開いた瞬間、哀ちゃんは息を呑んだ
【覚悟は決まった? Vermouth】
それを見て、私も顔を険しくする。
いよいよ、彼らが動き出したのだ
私はそれを確認してから、上着の中のユキと哀ちゃんを抱えて立ち上がりドアへ向かう。すると彼女がバッと私を見上げた
灰原「(椎奈お姉ちゃん?! いったい何を…)」
椎奈「ごめん、みんな。哀ちゃんが気分悪くなったみたいでおトイレ行くみたいだから、私付き添いで行ってくるわ」
蘭「あ、はい。何か困ったことがあったら連絡くださいね。私たちも行くんで」
椎奈「ええ」
特に怪しむことなく私たちを送り出してくれた彼女たちに感謝を込めて後手に手を振り、廊下へ出ると静かにドアを閉めた
哀ちゃんが顔を強張らせて声を押し殺しながら言ってくる
灰原「…どういうつもりなの、椎奈お姉ちゃん。これじゃああなたまで───」
椎奈「問題なし。策なら既に用意してあるよ」
灰原「!!」
哀ちゃんが驚愕に目を見開いて私を見た。それに小さくクスリと笑い、哀ちゃんを一度下ろすと携帯を操作してこのことを母さんに送信する
続いてユキを包んでいたフード付きの薄いジャンパーを哀ちゃんに着させて姿を隠すと、ユキは哀ちゃんに抱いてもらって、改めて私が哀ちゃんを抱きかかえるとそのまま別の部屋へと向かった
椎奈「(…さて、こっちは準備万端よ新一。母さん。あとは相手が読み通り動いてくれれば…)」
ーーー第三者side
椎奈たちが行動を開始してからになった個室
そこで、火傷を負った男が窓からトランクを蹴って外に捨ててしまった
?「あら、随分じゃない?」
その背後を取るように、ドアの前に立つ女が男に声をかける
?「お気に入りだったのよ? あのトランクに入れてたワンピ…」
特に驚いた様子もなく振り返った男。自分の顔に手をかけた
?「ねぇ…もうこんなのやめにしたら?───シャロン」
男がマスクを勢いよく剥ぎ取った。
その下の素顔はベルモットのものだ。
退治した女性、工藤有希子は待ちかねたこの瞬間に不敵に笑った