【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第2章 〜探偵たちの夜想曲(ノクターン) 前編〜
もう、うんざりだと言いたげにボヤくと、小五郎さんがスーツの内ポケットからタバコとライターを取り出し火をつける
蘭「仕方ないよ。事件が起きてからまだ1週間しか経ってないし、銀行員の1人が撃たれて亡くなってるらしいし…」
奥から戻ってきたらしい蘭ちゃんが小五郎さんの隣のソファに後ろから身を乗り出し、父親の顔を覗き込む
小五郎「たしか、カッコつけて強盗犯に歯向かって、やられちまったんだったか?」
コナン「歯向かったんじゃないと思うよ?」
抱えたユキに擦り寄られながら、コナンくんが言った
私もその事件のニュースを覚えていて、それに頷いた
椎奈「そうね。銀行にいたお客さんの話だと、両手を挙げて『OK! もうやめてくれ』って犯人をなだめようとしてたみたいだし…」
小五郎「でも椎奈ちゃん。逆に犯人の怒りを買って撃たれちまったんじゃ、同じだと思うがなぁ…」
椎奈「ですか…」
そう言って、小五郎さんがまたタバコを咥えた
その隣にいた蘭ちゃんは、ふと玄関のところを見て何かに気づいたようでサッと体を起こした
それと同時に…
?「───しかし、悪いことはできませんねぇ。強奪した2億円のほとんどは搬入されたばかりの新札で、紙幣の記番号が丸分かりだったんですから」
椎奈「あ」
この事務所では聞きなれない声に思わずそちらを見て、私は小さい声を漏らす
その声の正体は、見慣れすぎていながらほとんど初めましての存在・安室なのだから
けれど、小五郎さんは現れた存在に気づいてないようで聞こえて当然のように相槌をうつ
小五郎「ああ。使うに使えねぇ金を掴まされちまった、その強盗犯が捕まるのも時間の問題…───っつか! なんでお前がここに?!」
安室「お世話になっている毛利先生にお昼のサンドイッチのサービスを。もちろん、お代は僕持ちで」
後半あたりでようやくもう一人の存在に気づけた小五郎さん。驚いて体をのけぞらせ、自分の後ろにお皿を持って立つ男を見る様は探偵として心配だ…
サンドイッチを持ってきた男はニコニコと笑って当然のように言っている
しかし、彼は私を見ると「おや?あなたは…」と軽く目を見開いた
安室「たしか、あの事件でお会いした女性ですよね? 先生たちと親密な間柄で?」