【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第5章 〜ミステリートレイン〜
村田「だから公安を動かさないっていうのか…?」
椎奈「ええ。とりあえず、零さんの計画どおりに動いてもらって? 知ってるのは私たちだけで充分。作戦は必ず成功する」
これは、捻じ曲げることが出来ない組織との先を読みあう戦いだ。うかつに動かせないうえに、私の事情を詳しく知らないボディガードの公安の人たちの行動なんて私には読めない
彼らからしたら危険な組織相手に何てことを言うんだと思うだろうが、納得してほしい。私がそんな思いで2人をまっすぐに見続けていると、同時にハァとため息をつかれた
村田「まったく君は…。ガードを1日解けばいいんだな?」
降谷「絶対に気をつけろよ? 」
椎奈「!! もちろん!」
私は渋々納得してくれた彼らに、笑って頷いた
ーーー当日
東京駅に停車中のベルツリー急行に、母さんと沖矢さん、そして帽子とサングラスで正体を隠した私が予定どおりに乗り込んだ
個室までは終始無言だったものの、入って仕舞えば母さんが一気に緊張を解くように伸びをした
有希子「なんていうか、見た目はSLでも中身は最新なのね〜」
沖矢「ええ。見た所、ディーゼルのようですし。完全個室とは実にありがたい」
椎奈「たしかオーナーが鈴木財閥だって」
財閥って怖いなぁ、と思いつつ、私は席に座ってマナーモードに設定した携帯を少し大きめのバックから取り出した
すると、開きっぱなしのバックの口からヒョッコリとユキが顔を出した。その瞬間、対面して座る母の目が輝く
有希子「あら可愛い!! そういえば前も連れてきてたわよね? どうしたの?!」
椎奈「野良だったから一月くらい前に拾ったの。大人しそうな子だったし」
ユキ「にゃあ」
一声鳴く猫に「まぁ、可愛い」とメロメロな母を視界に入れつつ、携帯を探っているとあの刑事たちからLIN○が来ていた
グループの方で、みんなが《気をつけて》や号泣して見送りスタンプを送ってくれていた
それに思わず笑みがこぼれ、《了解!》と打ち込んだ後に席を立つ
沖矢「おや、もう行くんですか?」
椎奈「ええ、少しでも早く安心させたいですから」
私は沖矢さんにそう言って、そのまま個室を出た。そしてさっそく私は目的の部屋を探し始めた