【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第4章 〜工藤優作の未解決事件(コールドケース)〜
*
あれから少し時間が経過し、空がオレンジ色になった頃。
世良「え、本当に?! 本当にあの工藤優作がそう言ってたのか?!」
椎奈「ええ。『遺体のそばに『死』の血文字を描く犯人はもう二度と現れない』ってね…」
私はそう言いながら、10年前の血文字の写真を女子高生たちに見せる
その足元で、コナンくんも頷いた
コナン「新一兄ちゃんも10年前にお父さんからそう聞いたって言ってたよ?」
蘭「私もその写真を見せられた時新一がそう言ってたの覚えてる…。しかも、そのおじさんの手のひらや指に血はついてたんだけど、指先にはついてなかったから、『死んだおじさんが自分で書いた字じゃないのに、なんで殺人じゃないんだ』って新一不満たらったらで…」
蘭ちゃんの言ったことは私も新一に言われていたため、よく覚えている
その証言に全員が引っかかったらしく、「ん〜…」と考え込む一瞬の沈黙が生まれる。そして世良ちゃんが私の手から写真を抜き取った
世良「…殺人じゃないとしても、血が乾く前に遺体のそばに誰かがいたっていうのは間違いないのに…。それに、僕たちはこれにそっくりの血文字が残された現場に、遭遇してしまったしね…」
写真を見ながらそう呟く世良ちゃんに、蘭ちゃんと園子ちゃんが頷いた。そして、園子ちゃんが続けて…
園子「…でも10年前のその事件、事故死とかじゃなかったっけ?」
蘭「うん! そうだった!」
世良「事故死?」
椎奈「ええ。まぁそこらへんは、同封の資料を見てみましょ?」
そう言って、私はさっそく写真と一緒に入っていたらしい資料を封筒から出し、目を通し始めた───
【亡くなったのは保育園の園長の郡山武文さん。
死因は心臓へのダメージによるショック死。
胸部に刺さった金魚鉢の破片により、心臓を貫かれ亡くなった。
保育園の水槽掃除のために一旦金魚を金魚鉢に移す予定だったが、その金魚鉢を園長が自宅に忘れて取りに戻り、保育園に持っていく途中で近道である公園を通った際に運悪く石畳の段差に躓き金魚鉢を抱えたまま転倒して亡くなったようだ】