【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第4章 〜工藤優作の未解決事件(コールドケース)〜
椎奈「じゃあご近所さま同士、これからも仲良くできそうです」
安室「ええ。よければぜひポアロにも来てくださいね」
椎奈「はい。さっそく今日の夕方に予定がないので、その時にでも友人を連れていきます」
こうして2人である程度の会話をすると、安室は今度は彼女の足元にいる猫にしゃがみ込んだ
安室「君も、中に入れられないけど飲み物とかならあげるから」
ユキ「にゃあ」
果たして、返事をすれど猫がどこまで理解しているのか。
しかし安室はそれを気にせず猫を一撫ですると「それでは、僕はこれからポアロのバイトですので…」と言って、さよならすると彼はマンション下の駐車場に去っていった
椎奈「(…とりあえず、親しい関係に思われるステップ1はクリアってところか)」
これからはどんどんマンションの周辺で遭遇し、ポアロでもたくさん交流して仲が良いと周囲に思わせる必要がある
これは彼にとって重要な任務だ
だが、椎奈は安室としてとはいえ好きな人と過ごせる時間が増えると思うと、口元がすっかり緩んでいた
*
それから数日、2人は度々いろんなところで遭遇しては仲良く話していた
ポアロに来ては、カウンター席でキッチンにいる安室と椎奈がよく話すのを安室と同僚の梓やマスターも目撃した
そしてこの日もまた、椎奈はカウンター席で安室と談笑していた
彼女の手には、可愛らしいペット特集の雑誌がある
椎奈「見てください、これ! ユキが猫用のおもちゃで遊んでる写真が雑誌にでたんです!」
安室「へぇ! ユキも雑誌に載ったんですか」
椎奈「そうなんですよ。今度は動物番組にも一緒に出る予定なんですけどね───」
その後も嬉々として安室に愛猫を語る姿はとても微笑ましいものだった
相槌をうってきちんと話を聞く安室も、椎奈の嬉しそうな表情に本心から笑みを浮かべていた
その話が尽きてもお互いに別のネタを切り出し、飲み物やデザートを頼んで1時間ほど話し込んでいると……
チリン、チリンッ
来客を告げるドアのベルが鳴った
すると安室はいつもの営業スマイルで「いらっしゃいませ」と振り向いたが、客を見た途端固まってしまった