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【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2

第17章 〜仲の悪いガールズバンド〜



笛川は世良と安室の言葉に反論するが、二人は間違った事は言っていない。
緊迫する空気に椎奈は多少の居心地の悪さを感じつつ会話は最後の一人、キーボード担当の小暮の話へと戻った。

彼女はスタジオに入ってすぐ山路への配慮でキーボードの位置をずらし、曲の直しを行ったそうだ。
無論その姿も後ろ姿ではあるが監視カメラに映っており、彼女の楽譜は書きなおされた箇所がある。
その後二人と同じように山路を起こしてみたが返事はなく、休憩所へ戻った

警察はその後凶器を探しに乗り出した。
だがスタジオ内にそれらしきヒモ状の物はなく、目暮たちの顔に焦りの色が浮かぶ。
その頃には事件が起きた事は他の利用者にも知れ渡り、ロビーには状況を聞きに来たバンドマン達の姿がちらほらと見受けられた


世良「…」

椎奈「どうしたの?世良ちゃん…」

園子「あの人達怪しんでるの?」


その内の二人組を世良が興味深そうに見ていた。
それに気づいた蘭たちの問いかけにこちらを振り返った世良は苦笑しながら話しだす


世良「あ、いや…ギターケースを背負ってる人を見ると思い出しちゃうんだ…4年前…駅の向こう側のプラットホームにたたずむ…ギターケースを背負った秀兄をな!!」


世良が何気なく話し出したその内容は、一部の人間にはとても衝撃的なものだった。
なんと彼女は表上死んだことにされている赤井の妹だったのだ。
赤井と世良、2人の目元や頭脳明晰な部分などよく似ている

コナンは大きく目を見開いて驚いており、安室は目を細めて世良を見ていた。
しかし世良はそんな2人に気づかず話を続けた


世良「ボクその時友達と映画観た帰りだったんだけど走って秀兄と同じ電車に飛び乗ったんだ!どうしても秀兄のギターが聞きたくてね!」

蘭「へー…」

園子「それで?それで?」

世良「何度か乗り換えた駅のホームで秀兄に見つかっちゃってさ…『帰れ』って怒られたんだけどお金もないし帰り方もわからないって言ったら『切符買ってきてやるから待ってろ』ってボクをホームに残して行っちゃったんだ…」


そう言って苦く笑う世良に蘭が「それで?言われた通りに待ってたの?」と続きを促す


世良「ああ…泣きそうな気分でね…でもさ、その時秀兄の連れの男が『君…音楽好きか?』って言ってケースからベースを出してさ…ボクに教えてくれたんだ…」
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