【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第17章 〜仲の悪いガールズバンド〜
そこまで話を聞いて、今まで黙っていた椎奈が口を開いた
椎奈「…その人の名前聞いた?」
世良「いや…聞いてないけど…そのホームに来た別の連れの男がその人の事をこう呼んでたよ…『スコッチ』ってね…」
世良がそう言った途端、安室の視線が一層鋭く世良を射抜いた。
椎奈がそれを横目で見やる。
スコッチ。
それはウィスキーの一種として知られる名で、それを持つということはあることを意味していた。
謎の多いこの少女・世良は何気ないその話を覚えている。
果たしてそれは探偵故に記憶がいいだけなのか
世良「でもさ…彼をそう呼んだその男…帽子を目深に被ってたから顔はよく見えなかったけど───」
そう言って、世良がある人物を振り返る
世良「似てる気がするんだよね…安室さん…アンタにな!!」
安室「人違いですよ…そんな昔話より今、ここで起きた事件を解決しませんか?君も探偵なんだよね?」
世良「ああ…そうだな…」
何事もないかのように、平然とした表情で話を晒した安室。
世良としては自分の思い出の断片を語ることで安室に揺さぶりをかけたかったため、いい顔をしない。
当時の自分がなんとなく感じた『スコッチ』という人物に対する怪しい部分、そしてその男の友人と見られる安室と推測される男の正体を見抜きたかった。
もし男の正体が安室だったとしたら、安室は彼女の兄のことで何か知っているはずである。
いや、兄だけではなく、兄といたギターケースを背負った男の行方も…。
しかしなかなかうまくいかないものだ。
だがとりあえず今は、安室の言う通りこの目の前の事件を解き明かさなければならないのであった───