【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第16章 〜純黒の悪夢〜
椎奈の手がそんなキュラソーの手を取った
椎奈「あなたを組織に殺させやしない…! 私たちとまた遊ぶために、絶対に生きて…!!」
キュラソー「…ええ…。ええ、分かってるわ!」
椎奈の鼓舞する言葉は、しっかりと彼女に届いた。キュラソーは力強く頷いて、椎奈の手を握り返す
椎奈がキュラソーの力強い目にホッと安心して微笑んだ時、数人の足音が近づいてくることに気づいた
椎奈・キュラソー「「…!!」」
?「おーい!! そこにいるやつ、危ないぞ!!」
椎奈「あ…この声…!」
椎奈はその声の人物にハッと気づいてそちらに振り返った。相手も椎奈に気がつくと目を見開いた。
萩原と松田、そして村田である
萩原「椎奈ちゃん?! それにその女…!!」
松田「キュラソー!!」
キュラソー「…っ!!」
椎奈「ま、待ってキュラソー!」
あの夜に自分を追跡していた彼らを見た途端、キュラソーが警戒するように身をよじらせるのが分かると椎奈はその肩に手を伸ばして落ち着かせた
椎奈「キュラソー、無理に動かさないで…。研二お兄さんはすぐ、警察病院に連絡を! キュラソーを連れて運んで!」
萩原「りょーかい!」
キュラソーから萩原に向き直った椎奈の指示に、彼は了承してすぐ携帯を取り出した。呆然とそれを見上げるキュラソー。一方、連絡中の萩原をチラリと見た松田と村田が険しい顔で椎奈を見る
村田「椎奈、言われた通りに工事現場のものは遠隔操作できるようにした」
松田「使うタイミングはいつだ?」
椎奈「ありがとう、和人お兄さん。タイミングならもうすぐで───」
ドオォォォン!!
椎奈「───…来たみたい」
椎奈を遮って聞こえたのは、大きな爆発音だった。それと同時に明かりもない真っ暗だった観覧車のそばが明るく照らされた
萩原「なんだ…? え…花火?」
連絡を終えたのか、携帯から耳を話した萩原が上空を見上げ、呆然と呟いた。
萩原が言う通り、大きな花火がたった一輪、暗闇の中で咲いていた。そしてそれは、暗闇で私たちを攻撃していた犯人を黒い影として映し出す