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【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2

第16章 〜純黒の悪夢〜



けれど、椎奈だけは体に鞭打ってキュラソーに近寄り、なんと自分の服をビリビリと噛みちぎった

キュラソーは、脇腹に逃げる際に負った深い傷があったのだ。キュラソーの体はそれもあってか、無傷の方の脇を下にする形で根転ばされていた


椎奈「キュラソー…しっかりして…!」

キュラソー「ううっ…」


まるで椎奈の声に答えるように、ぐったりと気を失っていたキュラソーは突然唸った

そしてうっすらとその目を開き、ぼんやりとした視界を移動させ己のそばにいるボロボロな椎奈を見た瞬間、キュラソーはハッと覚醒し戸惑った


キュラソー「椎奈、ちゃん…? どうしてここに…」

椎奈「知ってたの。あなたが組織の人間で、大切なデータを盗まれた公安の人が記憶を取り戻させるために観覧車に乗ることを。私は彼らを阻止するために公安の人とここに来たんだよ」

キュラソー「?!」


椎奈がそう言うと、キュラソーはとても驚いていた。そして、彼女を思い出したのかハッと息を呑むとなおさら困惑した表情で椎奈を見上げる


キュラソー「あなた…もしかしてあのカーチェイスの時バーボンといた? だったらどうして、組織の人間である私を『綺麗』だなんて…っ。私は間接的にとはいえ、あなたの親しい人を殺そうとしたのに…っ。どうして今も助けたりなんか…」

椎奈「だって…。記憶のないあなたは、間違いなく別人だったから…。何色にもなれる『キュラソー』は、あの時、間違いなく綺麗な白色をして…鮮やかな色ばっかりしてた。そんないい人を、今更嫌いになれるはずないじゃない…」

キュラソー「!!」


椎奈が苦笑い混じりに言うと、キュラソーは度肝を抜かれた。そして、椎奈の話はまだ続く


椎奈「たしかに、あなたはバーボンを…零さんを危険な目に合わせた…。でも、だからってあなたを見殺しにしていい理由なんてないし、約束だってある…!」

キュラソー「約束……」

椎奈「『罪を償って、今度は記憶のあるあなたと』って言葉…覚えてない?」

キュラソー「!! 椎奈ちゃん…」


キュラソーは、椎奈に言われて警察病院でのことを思い出した。当時の自分と今の自分にとって、どれほどその言葉が嬉しかったか
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