【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第16章 〜純黒の悪夢〜
何かが落下する音ともに、足場もかなり揺れた。通路を移動していた椎奈は、ゴンドラが落ちるのを見ながら壁に慌てて手をついてやり過ごす
椎奈「(びっくりした…。きっとゴンドラにキュラソーがいなくて落としたのね…)」
きっとあの中にはコナンがいることだろう。しかし、彼は無事であることを知っている。立ち込める煙が収まるのを待ち、椎奈はまたキュラソーを探しに通路を進もうとした
しかし───
椎奈「ちょっ…嘘でしょう?!」
彼女の目先にあったはずな通路は、少し進んだ先で途切れていた。大方、さきほどの衝撃で崩れたのだろう。
しかし、その壊れた通路の先には、飛べばかろうじて届くだろう足場が見えた
椎奈は現在、一番下には程遠い高さに立ち止まっている。
飛べば届く足場も、ギリギリの距離のため自分が無事でいられるかは分からない。
しかしこのままそこにいても、キュラソーを見つけることはできない。椎奈の望みも叶えられないだろう
椎奈はそう悟った瞬間、覚悟を決めた。彼女は通路を少しだけ引き返し、そこからある程度距離をとった
深呼吸を何度もし、キュッと唇を引き締める。そして、彼女はそこを飛び越えるべく全力で駆け出した。
どどけ……!!
どどけ……!!
強く強く、ただひたすら願って助走をつけ、椎奈はタイミングよく壊れた部分の手前で大きく跳躍した
あとは自由落下を利用して斜めに落ち、限界まで大きく手を伸ばして壊れて捻れきった手すりで体をぐっと引き寄せた。その勢いで、無事に離れた足場まで飛び越えることができたのである
けれど、難関はこれだけではない…。
ドガガガガガッ!!
椎奈「?!」
突如、響いた銃の乱射音。そして、また足場が揺れて上の方から建物の残骸が落下してくるのを見て、椎奈はまた走り出した
敵は、どうやらキュラソーが裏切ったと判断し、始末しにかかったのだ。おそらく今使用しているのはあの機体に備わっている機関銃。爆弾が作動されていないので、解除は成功し組織は最後の手段に出たというところか。
ともかく椎奈は弾丸の雨を逃れるべく、身をかがめて走り続ける。弾丸は彼女を追い詰めるかのように乱射された