【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第16章 〜純黒の悪夢〜
ーーー第三者side
シャッターが下ろされ、黒い薄暗い倉庫中には鉄骨の柱に後ろ手で手錠をかけられたバーボンこと安室透と、キールこと水無伶奈がいた
キュラソーの送ってきたメールにお前らの名前があったそうだ、と煙草を吹かすジンを睨む拘束された2人
バーボンは、そんなピンチの中で自分の恋人に想いを馳せていた。自分がこうなっていることは仲間もすでに知っているし、こんなところで終わる気は決してない。
けれど、もし自分が殺されたら。失敗したら。自分のせいで悲痛な苦しみを、彼女には味わってほしくない
バーボン「…僕たちを殺さず拉致したのは、そのキュラソーとやらの情報情が完璧じゃなかったから。違いますか?」
ジン「流石だな、バーボン」
バーボンの横で水無怜奈が陰で手を動かしながら声を上げた。どうやら枷を外そうとしているらしい。
キール「ジン、我々が本当にノックか、それを確認してからでも遅くはないはずよ!」
ジン「確かにな。だが…」
ジンはゆらりと立ち上がり、横に構えた銃を向けた。その目に迷いはない。本気だ。
ジン「疑わしきは罰する。それが俺のやり方だ」
直後、一発の銃声が鳴り響く
撃たれたのはキールだった。床には撃たれた肩から血が流れ落ちている。どうやら手錠を外そうとしたのを見破られていたらしい。となれば、やはり下手な真似はできない。やがてジンの指示でウォッカがカウントを始める。必死で訴えるもカウントは止まらない
バーボン「かばうも何も、僕は彼女がノックかどうかなんて知りませんよ」
キール「私だって!でもこれだけは言える。私はノックじゃない」
バーボン「それはこっちのセリフだ」
尚も、カウントは進んでいく。ベルモットの表情が険しくなった。そして、ジンの瞳が怪しく光りーーーーー、カウントが切れた。
ジン「まずは貴様だ、バーボン」
その直後、天井に吊り下げられた照明器具の根元で火花が散り、二人を照らしていた光がなくなる。倉庫は暗闇につつまれた