【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第16章 〜純黒の悪夢〜
しかし、こんな穏やかな時間はそう長く続かなかった……。
元太くんがオセロをした机を蹴ってしまい騒いでていた時だった
?「失礼します。公安の風見です」
そう言ってこの空間に入って来たのは、日頃お世話になっている風見さん。そして、付き添いに数名の公安の人たちだった
彼は私を見て一瞬目を開いていたけど、すぐに持ち直したのか責任者の目暮警部を探すとすぐに本題に入った
風見「そちらの女性を速やかに引き渡してもらいたい」
そう言った途端、目暮警部が怪訝そうな顔で訪ねた
目暮「なぜだね? 我々にも捜査する権利はあるはずだが…」
風見「その女性は警察庁に侵入した被疑者だ。その目的をすぐに聴取しなければならないんですよ」
それを聞いたキュラソーが、以前自身が行ったらしい行動を思い顔を伏せた。その間にも、風見さんは身柄引き渡しの手続きを催促している
拒否する権限はないのだから、という彼の冷たい一言が、その場の空気を悪くした。
そんな中、目暮警部が渋々とそれを了承し姿を消すと、刑事たちも私たちに近づいた
佐藤「彼女との面会はもうおしまいよ…」
高木「みんなも帰ろう」
子供達「「ええ〜〜!!」」
佐藤「あなたも、病室に帰りましょう」
キュラソー「はい…」
まだまだ遊び足りない子供達はすごく不満そうだった。それはキュラソーも同じで、気遣いながらも佐藤刑事に促されると沈んだ様子で席を立った
光彦「行っちゃうんですか?」
元太「姉ちゃん!」
キュラソー「ありがとう、みんな…。これ、大切にするから」
最後に振り返った彼女は、寂しげな笑顔で手に持っていたイルカのキーホルダーを見せた。
私と同じにすると言ってくれた、おそろいのキーホルダーを。
この先を思うとあまりに切なくて、心臓が掴まれたような感覚がした
キュラソー「またいつか…みんなで観覧車に乗ろうね」
光彦「絶対ですよ!」
子供達が、キュラソーと約束を固く結んだ。そしてそれは、私の知る未来では叶うことがない…。
……でも……。
けれど、私はそれを変えるためにこの世界に生まれたんだ。
バッドをハッピーに変えるために…。
私は、彼女に一歩歩み寄った。それを見た彼女は、私にも辛そうな笑みを向けた