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【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2

第16章 〜純黒の悪夢〜





それからは、私たちの間にとても楽しい空間ができていた。

子供達が持って来たというオセロで、私たちは目一杯遊んでいる…。

悔しい顔や、笑った顔、呆れた顔…。みんながみんな、《色とりどりの表情(いろ)》を見せた。それはもちろん、キュラソーも同じ。

彼女をイメージする《白》が、様々な色に変化していた…。記憶がないにしても組織の人間なのに。私の大切な人を危険に晒す人間なのに…。その瞬間を見ると、とても綺麗に見えた…。


椎奈「(ああ…彼女にはやっぱり白が似合う…)」


幸せいっぱいなキュラソーの顔を見て、私はそう思うと同時に安堵の笑みを漏らした。するとその時、元太が思い出したように声をあげた


元太「あ、そうだ! 姉ちゃんたち2人にこれやるよ!」

キュラソー「え?」


元太くんが取り出したのは、イルカのキーホルダーだった。
それはたしか水族館にあったダーツの景品で、元太くんたちが貰った3つのものと同じデザイン。

私もキュラソーも、元太くんから受け取って手のひらのキーホルダーを見た。元太くんたちのと違い、それには色がないようだった


元太「ダーツの人が後でくれたんだよ!」

光彦「好きな色を塗ってくださいって!」

歩美「これでみんなお揃いだね!」


3人もキーホルダーを出し、笑顔になった。私もそれに笑って頷くと、光彦くんに「何色にするんですか?」と聞かれ、考え込んだ


椎奈「うーーん…そうねぇ…。私はこのままがいいかなぁ」

歩美「じゃあ、塗らないの?」

椎奈「ええ。だってもったいないじゃない…せっかくいろんな色になれる、無限大な色なのに…。それに、この白は思い出の色なんだから…」

キュラソー「思い出の色?」


不思議そうに私を見てくる4人。私は小さく笑って、キュラソーをまっすぐ見つめる


椎奈「そう、思い出の色! あなたみたいに、白が似合って綺麗な色に変われる人に出会えた記念に! だから私は染めません!」

キュラソー「!! 綺麗……私が?」

椎奈「ええ! 保証する!」


呆然と、確かめるように聞いてくるキュラソーに、私は微笑んでしっかりと頷いてみせる。すると、彼女は照れ笑いを浮かべて嬉しそうに自身のイルカに視線を向けた


キュラソー「…じゃあ、私もこのままにしようかしら」
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