【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第16章 〜純黒の悪夢〜
ーーー翌日
私は航お兄さんに頼み込んでまた警察病院にやって来た。キュラソーのお見舞いだ
記憶のない彼女では、この事態に戸惑っているのは目に見えている。それに風間さんたち公安のキュラソーへの対応が気がかりだった。
運がいいことに、私には警察のコネがある。どうしてもと強請れば、渋々OKがもらえた。
零さんの方もとても気がかりだが、赤井さんがいる。彼なら絶対、助けてくれるはずだ…。
こうして、私は警察病院に足を踏み入れた。受付で話を通そうとそこに近づくと、なにやら携帯片手に話し合う子供達が3人いた
椎奈「こーんなとこでなにしてるのかな?」
光彦「うえ?! なっ…椎奈さん?!」
2人「「?!」」
椎奈「はい、病院では静かにね?」
光彦くんに続いて声をあげようとした子供達の口に人差し指を当て、静かにと合図を送る。子供達は慌てて自分の口をふさいでコクコク頷くと、また手を離した
歩美「でも椎奈お姉さん、どうしてここにいるの?」
元太「もしかして、あの姉ちゃんの見舞いか?」
椎奈「ええ。捜査一課の刑事は大半知り合いだし、ちょっとおねだりしてね…」
?「ええ?! あ、あなたもなんですか?!」
膝を折って子供達と目線を近くにして話していると、戸惑いの声がかかった。現れたのは、高木刑事だった。子供達が彼を呼ぶと、彼は「しーっ」私と同じ仕草をした
高木「君たちは内緒で入って来てるんだから…」
?「誰に内緒だって?」
焦る高木刑事の後ろから、更に目暮警部と佐藤刑事。航お兄さんも一緒だ。そして彼らと一緒に来た、俯きがちで病院着を着る、瞳の色が黒から青に変わったキュラソー
椎奈「(キュラソー…)」
目暮「本来なら合わせるわけにはいかんのだが…。彼女は君たちに心を許していて、椎奈くんの説得もある。記憶回復の手助けになるかもしれんしな」
キュラソー「説得?」
少し元気がなさげだったキュラソーが、目を瞬かせて私を見た。私は少し苦笑いで「まぁね…」と返した。
そして、私たちは取り調べが始まるまでという期限付きで彼女と交流することになったのである