【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第16章 〜純黒の悪夢〜
灰原「そんなことすれば、私やあなた、椎奈さんだけじゃなく、あの子達まで消されるかもしれないのよ?!」
全員「「?!!」」
哀ちゃんがそう言って指差した、広場のベンチ。私たちがこうして話している間、子供達やあの人、そしてハカセにはそこにいてもらっていた
しかしどうだろう? 哀ちゃんがが指した先に視線をやれば、そこには鳩と戯れるハカセしかいなかった
灰原「子供達がいない……!!」
コナン「何をやってるんだ、ハカセは!!」
私たちはすぐさまハカセの元に行き、子供達を探し始めた。行ったのはきっと観覧車だ、そう推測して。
そして観覧車に走っていく私とコナンくんと哀ちゃんに、コナンくんの携帯で子供達から「助けて!!」と連絡が入る。
お姉さんが何か言って苦しんでいる、どうしよう、と。
子供達は観覧車内でパニックになっているようだ。
そこで私たちは子供達を落ち着かせ、観覧車から降りてくると同時に呼んでおいた救急車に乗って警察病院に行くことになった───
*
救急車に続いてやって来たパトカーには、佐藤刑事と高木刑事、そして航お兄さんが乗っていた。航お兄さんは2人に医務室へ行くのを任せ、コナンくんがそれに続くのも黙認する
子供達は、ハカセに頼んで家まで送ってもらった。最後までキュラソーを心配していたが、今は面会もできないんじゃあいてもしょうがない
私と航お兄さんは子供達をしっかり見送り、ふぅ…と息をつく
伊達「しっかしまぁ…大変なことになったな…」
頭をガシガシ掻きながら、愛用の楊枝を口にくわえる。
その顔をとても険しいものだった
当然だ。友人の情報もある大切なものを盗まれ、あれだけ高速道路でカーチェイスしておきながら彼女はそれを忘れてしまっているのだから
伊達「記憶喪失、な…。もし観覧車に乗ってたときに記憶が戻ったらまずかったな…」
椎奈「うん…。でも、戻らない確信があったから…」
伊達「そうか…。けどな、椎奈。お前あの女に会ってたんなら俺たちに報告してくれよ」
今回の私の行動を咎めるお兄さん。けれど、その声はあくまでも優しい。私も子供達を無事だし、訳ありだと判断してくれたんだと思う
椎奈「ごめんなさい。まぁでも今日のところは気が済んだし、後は警察に任せるよ」
伊達「おう」