【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第16章 〜純黒の悪夢〜
その正体は、少年探偵団の元太くん、歩美ちゃん、光彦くんだった。笑顔で私の元に駆け寄ってくる子供達に私も笑顔で応えた
しかし、そんな彼らが手を引いて連れて来た女性を見た瞬間、笑顔は驚愕に変わる
歩美「? どうしたの、椎奈お姉さん?」
光彦「あ、もしかしてこのお姉さん知り合いですか?!」
椎奈「…え?」
私の反応に不思議がる歩美ちゃんと、納得したように聞いてくる光彦くん。私は衝撃のあまり何を言われたか理解できなかった
元太「椎奈姉ちゃん、この姉ちゃんと知り合いじゃねぇのか?」
そう言って私の前に押しやられた女性は、綺麗な銀色の髪に青と黒のオッドアイの容姿をしていた。間違いない、警察庁に入った例の組織の女性・キュラソー。
しかし、あの荒々しい運転をしてみせたようには思えないほど、雰囲気が違う。子供達の行動に戸惑ったばかりのようだ
そして、私は子供達からキュラソーの事情を聞いた。出会ったのは今日の水族館入り口付近。コナンくんが発見したらしく、怪我をしていて記憶がないのでこの園内に知り合いがいないか探していたらしい。本当は知っているが、私はあえて街で見かけたぐらいに留めておいた
椎奈「(…どうやら、記憶を無くしているってのは同じみたいね。演技してる風にも見えない。子供達と接して、元の人格も変わってくれるといいんだけど…)」
キュラソー「あの…」
椎奈「! はい?」
考え込んでいると、キュラソーから控えめに声がかかった。私が反応すると、彼女はふんわりと笑いかけてくる
キュラソー「あなたの名前、教えてくれないかしら。ここに来て初めてなの。私を見かけた人…」
椎奈「そう、ですか…。私は椎奈。工藤椎奈。よろしく、お姉さん」
私が気を取り直して笑顔で手を差し出すと、キュラソーは私の手と顔を交互に見て戸惑いながらもそっと握り返してくれた。その瞬間、私たちの周りが和やかになった