【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第16章 〜純黒の悪夢〜
キキィィイイ!
そんな急ブレーキによる道路が摩擦される甲高い音は、車の落下とほぼ同時であった。椎奈はドアに手をついて遠心力で傾く体を必死に支えていた。なんとか全員、被害は免れたようだ。
だが、そのおかげで女を追跡できる車は3台に減った。RX-7の助手席から後ろを振り返った椎奈はその被害に息を呑む
椎奈「…っ! 人数を一気に減らしてきた…?!」
降谷「ああ…。だが幸い、奴らに怪我はなさそうだし、計画にそれほど支障はない…」
そう言って、降谷はチラリとバックミラーで見える後続車と隣の車を見る。運転手はそれぞれ赤井と村田───潜入捜査時にはライとスコッチとしてスナイパーを務めていた、逃走車を無力化できるプロがいた
椎奈は降谷に同意するように頷き、トランシーバーをに語りかける。と同時に椎奈の電話に突然メールの着信が来て、それに目を移した
椎奈「航お兄さん、研二お兄さん、陣平お兄さん、大丈夫?!3人はとりあえずそこに留まっていて! 後の追跡は赤井さんと和人お兄さんで続行します!」
3人『『りょーかい!』』
村田『でもどうする?! ただガムシャラに追うだけじゃあ埒があかない!』
椎奈「ええ。だから新たに作戦を立てます!!それは…───」
赤井「(ふっ…。送ったものが役に立ったようだな…)」
トランシーバー越しに聞こえる椎奈のプランを聴き終え、赤井は口角を上げた。椎奈の携帯のメールは赤井からだった。するとどうだろう。RX-7以外の2台の車、赤井と村田の車はその場で停車してしまった。
一見諦めたように見えるが、しかし2人は車から出ると車のボンネットにライフルを準備し始める。逃走車の車を無力化するためだ
椎奈の携帯には、文章はなく写真が送られて来ただけだった。けれどそれはただの写真ではない。カーナビのものだったのだ。そして、そこには渋滞を示す記号がこの先の道で発見される…。
椎奈はその写真を見て、トランシーバーでこう指示を出していた
椎奈「赤井さんと和人お兄さんは、今すぐその場で車を止めて、【獲物】の準備をお願いします! 」と。