【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第15章 〜安室に忍び寄る影〜
*
そして翌日。
昨日とそう変わらない時間にポアロに行くと、ストーカーの件は解決していた。
コナン「…おじさんは、パン職人ですね?」
椎奈「(なにこのタイミングの悪さ!!)」
ポアロに入ってすぐに聞いた声が、それだった。
例の男性の額には職人のかぶる帽子の跡、来店の時間はちょうどパン職人が店で出すパンを製造し始める時間
おまけに、昨日今日と子供達も男性を追跡したらしく、どちらもこの先にある商店街で見失った事から、商店街に入ってすぐにあるパン屋さんに目をつけたらしい
そして子供達が真相にたどり着いた一方で、この男性は安室さんを尾行しているのがバレてしまった…
コナン「そこでおじさんは、最後の手段に出たんだ」
梓「最後の…手段?」
息を呑むような緊張感のある空気が漂う。私はとりあえずドアの近くで黙って事の成り行きを見守ることにした
コナン「直接聞こうとしたんだよね?───安室さんに、サンドイッチの作り方を」
全員「「ええ?!」」
想定外のアンサーに、全員が拍子抜けした声を出した。
男性曰く、このポアロのサンドイッチは世間に大好評で、味の秘密を知ろうとパン職人として敵地(ポアロ)に乗り込んできたらしい。そして、サンドイッチの味に惚れ込んでしまった…。
彼はただ、美味しいサンドイッチの作り方を知りたかっただけだったようだ。しかし、安室さんを観察して真似してみても、なかなか思うようにいかない。
そこまで白状して、男性は安室さんの肩をガシッと掴む
男性「いったいどうして───どうしてあんたは、あんな美味いハムサンドが作れるんだ?!!」
全員「「………」」
呆然。そして沈黙。エコーで響きそうなほどの想定外発言連発に、目が点になったりただ固まる一同
コナン「お、おじさん…さすがにそれは教えてもらえるはずが…」
男性「分かってる!! 分かってるが…っ」
安室「いいですよ? 別に教えても」
コナン「(…え。そうなの?)」
そしてそこから、安室先生によるサンドイッチ講座が開かれた