【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第3章 〜探偵たちの夜想曲(ノクターン) 後編〜
ーーー第三者side
小五郎「なんで遺体がスーツケースに入ってんだよ?! いったい誰なんだこの男?!」
開いたケースの中で、丸まって入れられていたのは誰とも知れない男の遺体だった
安室は遺体にそっと触れ、検証を始める
安室「わりと小柄な男性ですね…。死因は撲殺。死後1日強ってところでしょうか」
小五郎「思った通り、盗聴器はこの中に入っていたが…」
蘭「とにかく、家主の圭さんに話を聞いてみよう? ねぇ、お姉さ……。椎奈お姉さん?!」
安室・小五郎「「?!」」
蘭がドアへ振り返りざまにチラリと椎奈を見たのだが、見てしまったものに思わず目を開いて叫んだ
その声に反応して安室や小五郎もそちらを見ると、口を両手で覆い、涙を流しながら体を震わせて遺体から目を離さずにいる椎奈が立っていた
それを見て素早く駆け寄った安室は、極めて冷静にパニックを起こした彼女の両肩に手を置いた
そして、彼女の視界から遺体を隠す
椎奈「あ……」
安室「大丈夫です。椎奈さん、しっかりしてください。遺体から目を離して…深呼吸して落ち着いてください」
頼もしい声に導かれるまま、椎奈は言われた通りに深呼吸を始めた
1回…2回…。そうして何度も深呼吸を繰り返すうち、次第に涙も止まって荒れていた心も落ち着きを取り戻した
椎奈「…あ、ありがとう、安室さん…」
安室「いえいえ。当然の対処ですから」
そう言って安心したように椎奈へ笑いかける安室。それにつられ、椎奈も小さく笑みを浮かべることで微かな甘い空気が一瞬漂った
しかし、それは安室が蘭や小五郎たちに目を移した時に鋭い探偵の目をすることでかき消された
安室「…ところで、話は戻りますが蘭さん。彼女はここにはもういないかもしれません」
蘭「え?!」
安室「さっき玄関を通った時、彼女のブーツはありませんでしたから。その時は玄関にしまったのかと思ったんですが、もしかしたら この遺体が見つかるのを恐れて逃げ立った場合も考えられますし…」
小五郎「じゃあ、この男は圭さんが殺したってのかよ?」