【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第14章 〜異次元の狙撃手(スナイパー)〜
椎奈「せっかくのお見舞いなのに、バタバタしちゃってごめんなさいね。あの3人、事件にまっしぐらだから…」
光彦「いえいえ! 僕たちの模型が役に立ったなら光栄です!」
そう言った光彦以外も、みんな特に気にしている様子は無かった。その事に小さく安堵した私はベルツリーが見える窓の外に目を向けた
椎奈「(…きっと今頃、『彼ら』も犯人を捕まえるためにスタンバイしてるはず…)」
蘭たちも子供達も、ベルツリーにいく気配はない。障害がなくなったことで、きっと椎奈が知っている流れより早く犯人を拘束できるだろう…。
自分の出る幕はもうない。椎奈はその後も、暗くなるまで子供達と楽しく過ごした───
*
一方、探偵3人組は病院を出てすぐに二手に分かれていた。安室と世良はベルツリーに、そしてコナンはウォルツさんが現れると予測される狙撃場所に来ていた
そしてそのまた別の場所…浅草スカイコートに、ベースのケースを持った中居姿の村田が登っていた。そして屋上の扉を開けて外に出ると、最近よく見る男がその場にいた
望遠鏡で周囲を確認するその姿に、中居の口角が自然と上がる
中居「よっ! お前もやっぱり動いてたか」
沖矢「ああ。もともとこの事件はFBIの責任だからな」
中居「そうか。じゃあ手柄は半分だな。うちの首席様も犯人には相当ご立腹だ」
沖矢「椎奈の件か」
中居「ああ」
お互いに淡々と話しながらも、顔を合わせることはない。沖矢は望遠鏡で確認中、中居は愛用のライフルを沖矢のライフルの隣に設置した
すると、沖矢は望遠鏡であるものを捉えると覗くのをやめ、ライフルを構え始める
沖矢「…いたぞ中居。ベルツリーの展望台だ」
中居「了解。それで犯人は? ケビン吉野か?」
沖矢「ああ。対人用のライフルを構えている」
中居「なら俺たちが犯人を撃って制圧するしか無さそうだな。後は安室とコナンくんたちに委ねよう」
沖矢「そう簡単に行けばいいがな…」
何しろ、相手は憎しみに囚われた人間だ。邪魔されては何をしでかすかわからない。2人はそれ以後無言になり、ただ緊張感の中でライフルの照準を定めていた