【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第14章 〜異次元の狙撃手(スナイパー)〜
ーーー第三者side
コナンにとって、その一連の出来事は全てスローモーションだった
コナン「(姉…さん…?)」
自分を守る姉の腕の中で、その左肩から飛び散る血を見て彼は目を見開いた。そのまま2人は地面に倒れこみ、バイクを急いで減速させ乗り捨てて来た世良も慌てて駆けつけた
コナン「椎奈姉ちゃん!! ……おい、姉さん!!」
世良「椎奈さん!!」
2人が大声で椎奈を呼ぼうとも、椎奈は目を閉じてピクリとも動かなかった。ただただ赤が溢れる傷口のある肩を2人で止血のために抑えながら、世良は唇を噛み締め、そしてコナンは涙を溢れさせた目をきつく閉じた
コナン・世良「「くっそぉぉぉ!!」」
2人の悔しさと怒りの篭った叫び声は、橋全体に響き渡った。
そして、彼らの努力もむなしく……
ビル・マーフィーは、橋を走行中に狙撃され死亡した。
*
椎奈が撃たれ、すぐさま救急車が駆けつけると近くの病院へと搬送され手術室に入った
入口のランプが点灯し、世良もコナンもただ顔をうつ向けてベンチに座り、手術が終わるのを待っていた。そして更にこのことを聞きつけたらしいジョディとジェイムズと目暮が現れ、5人で話していた時だった。
ドタドタと慌ただしく何者かが手術室に駆けつけ、2人の姿を見つけると場所を忘れて声をあげた
?「コナンくん!!」
コナン「あ、安室さん…」
安室はコナンに駆け寄ると、そのまま小さな肩をガシッと掴んだ
安室「椎奈さんは?! なぜ彼女が撃たれたんだ?!」
ジョディ「その件について私たちも話を聞くところよ。詳しい事は、まずは場所を移してからね」
安室「…っ」
安室はそれを聞いて少しだけ平静を取り戻すと、動揺を押し殺すように拳を強く握りしめ、不安げに手術室を見上げた
*
あれから病院の中庭に移動し、ベンチにコナンと目暮、隣のベンチにジェイムズが座り、それを囲むように松田たちを含む捜査一課のメンバーと世良と安室が立っていた
話の内容は、椎奈が撃たれるまでの経緯。ずっと俯いて話すコナンの服には姉である椎奈の血が染み付いていて、コナンの正体を知る松田たちにはこれが酷なことと思えてならなかった