【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第13章 〜緋色編(交錯・帰還・真相)〜
それからすぐに完成した紅茶は爽やかな笑顔で前に置かれ、私も表情を緩めながらカップに口をつけた
それから安室さんはユキに水をあげに行き、猫の鳴き声と安室さんの笑い声が聞こえると数秒のうちに戻って来た
そして安室さんがカウンターに戻ったところで何気ない話を繰り広げていると…
カランカランッ!
安室「いらっしゃま───…!」
ドアベルの音で安室さんがお客さんを方を見ると、そのまま固まってしまった。それに首をかしげた私が同じようにお客さんを見れば、笑みを浮かべる小さな弟の姿があった
コナン「…………安室さんと椎奈姉ちゃん、うそつき」
安室「…………君に言われたくないさ」
私と安室さんも、コナンくんに小さな笑みを返した。だって騙しあってたのはお互い様なのだから…
すると私たち間には、分かり合えたからこその意味深で穏やかな空気が一瞬流れた。しかし不意にコナンくんがバッと子供特有の笑みを浮かべてカウンターの私の隣に駆け寄ることで、その空気は霧散する
コナン「椎奈姉ちゃんここにいたんだね〜。お家行ってもいなかったから…」
椎奈「あら、コナンくん私に用事?」
コナン「うん、一緒にご飯食べたいなぁって! でもごめんなさい…安室さんのお邪魔しちゃった!」
安室「うん、謝らなくていいよコナンくん。どうせ邪魔しに来たのが目的だろう?」
コナン「え?なんこと?」
申し訳なさをかけらも感じさせないコナンくんの謝罪に安室さんが苦笑いでそう言うと、コナンくんはわざとらしく首をかしげる。安室さんはカウンターに戻って肩をすくめただけだった
追求されないことをいいことに、コナンくんはカウンター席に膝立ちして、安室さんと内緒話を始めた
ーーー降谷side
コナン「でもゼロの兄ちゃん、僕が邪魔しに来たって思ったってことは……椎奈姉ちゃんにアタック中か、もしかして恋人なの?」
降谷「!」
最後の方でコナンくんの声が低くなり、思わずバッと離れてコナンくんを見た。しかし、彼の顔はニコニコしていて、さっきの声とは似ても似つかない
俺は静かに笑った
降谷「(…なるほど、それが君の本性か)」
コナン「ねーねー。どうなの安室さん?」
降谷「そうだね…yesって答えたらどうする?」