【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第13章 〜緋色編(交錯・帰還・真相)〜
椎奈「(未来を、ねぇ…)」
ジョディの言葉を聞いた後部座席に座る椎奈は、そっと目を伏せた。未来が読めるのなら、周りの変化や行動…例えば、この日ジョディが来たことにさえ戸惑いの表情など見せないだろうに
椎奈は、暗い車内で自嘲的な笑みを浮かべた
椎奈「…そんな便利なもの抱えてたら、今頃例の組織のボスはお縄についてます。私が知っているのは、決まった道筋だけ…」
キャメル「決まった道筋?」
椎奈「…これ以上は話せません」
ジョディ「そう…。でも、あなたのそれがどうであれ組織を潰すのに必要な存在であることに変わりはないわ。だから、私たちFBIと全面的に協力して保護されてくれない?」
バックミラー越しに椎奈を見るジョディの目は、拒否感を認めないと言うほど鋭い。その瞳には松田たち日本警察に対する激しい闘争心と怒りが宿っていた
それを見て取った椎奈は、ゆるゆると首を横に振った
椎奈「…残念ながら、お断りします。そちらには江戸川コナンが着いているでしょう?」
キャメル「コナンくんはコナンくんですよ。協力者が多いに越したことはない」
椎奈「ええ。だからこそ、私はFBIの元に行かないと言ってるんです」
ジョディ「…どういうこと?」
キャメルとジョディが怪訝そうな顔になった
椎奈「知っての通り、公安は私を保護下に置いています。国を守る仕事に対する誇りの強い日本警察にとって、国民であり自らが保護している対象を他国の警察に保護されてはたまったもんじゃない。しかも、相手はあくまで休暇を目的に来日しているんだから…一層もめますよ」
ジョディ「でも、先に喧嘩を売ったのは日本警察よ!」
椎奈「それは否定しませんが、彼らが怒っているのは無許可で日本で仕事するあなた方の態度が気に入らないってだけです。日本警察がFBIの仕事の邪魔をしたことがありますか? …といっても、秘密裏なので気づくこと自体がないですが」
ジョディ「……」
椎奈の一言一言に、ついにジョディは黙り込んでしまった。
それを見て、椎奈は思わず重く息を吐いた。彼女に対してではない。日本警察とFBIという、もっと大きなものに対しだ