【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第11章 〜ギスギスしたお茶会〜
最後の3人目。
八方さんに大損と聞いてどういうことかと本人に聞けば、それにはたいそう不満を持っていたらしく、怒気を孕んだ声で話してくれた
別府「そりゃあ怒るわよ!! 怜奈に進められて買った株が暴落してこっちは大損したっていうのに、怜奈はちゃっかり下がる前に売って大儲けしたんだから!」
「「そ、それらはご愁傷さまです…」」
小五郎さんと目暮警部、高木刑事の声が揃った
別府「こっちはおかげで借金まみれ…。下がると分かってたなら、教えてくれれば…っ」
目暮「だから殺害を?」
別府「ふんっ! 彼女が死んで金が戻ってくるなら、そうしたかもね!!」
全員「「……」」
いっそ清々しすぎるまでの主張に、みんなで黙り込んだ。すると、別府さんは色々吐き出して落ち着いたのか、言いにくそうに俯いた
別府「…別に亡くなった人を悪く言いたくないけど、樹里だって相当腹に据えかねていると思うわよ? 怜奈のせいで樹里の息子さんのお受験、失敗したようなもんだから…」
目暮「失敗とは?」
別府「樹里と怜奈の息子は同級生で、一緒の中学目指してたんだけど、受験の前日に勉強しに来た怜奈の息子がインフルエンザの予防接種にかかってて、それが樹里の息子に移ってお受験どころじゃなくなったんだから!!」
目暮・小五郎「「そ、それはまたご愁傷さまですな…」」
またも2人の声が揃った
そして3人に事情聴取した結果、容疑を否定しながらもそれぞれに動機はあるようだと判明した小五郎さん
すると、そばにあるカーテンで身を隠していたらしいコナンくんが、
コナン「みんながお茶を飲み始めてから、部屋から外に出た人っている?」
別府「え、ええ…。私と時江が入れ違いで一度ずつね。私はトイレに、時江はお茶受けのお菓子を買いに。樹里と怜奈はずっと部屋にいたと思うよ? 怜奈がポットにお湯もらいに行ったみたいだけど、あれは私と時江が来る前だし…」
コナン「ふぅん…」
直後、コナンくんの頭にゴチンッと小五郎さんの拳骨が落ちた。その代わりに、私が次いで質問した
椎奈「では、あのティーカップは病院の?」
別府「あれは樹里のカップよ。重曹を使ってピカピカに磨いてるって言ってたし…」
椎奈「なるほどね…」
知っているものと同じと判断した私は、小さくそう呟いた