【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第11章 〜ギスギスしたお茶会〜
安室「透けているってことは、何もないってこと…、だからゼロ。子供がつけるあだ名の法則なんてそんなもんですよ」
訝しげに聞いてきた小五郎さんに、安室さんはつらつらと由来を言っていた
それから、とりあえず移動しようということになり私たちは廊下を歩いていく。後ろを歩く私とコナンくんには、前にいる小五郎さんと安室さんの声がまる聞こえだった
安室「───へぇ…毛利先生の奥さん、急性虫垂炎だったんですか」
小五郎「ああ。焦って損したぜ…」
安室「でも盲腸だからって侮ると危ないらしいですよ?」
小五郎「まぁな」
椎奈「………」
彼らの話を聞き、私は心の中でため息をつきたくなった
安室さんの口から出た、盲腸という言葉。あれは公安のあだ名のようなものだ。「ゼロ」といい「盲腸」といい。おそらく零さんはコナンくんにはバレないと踏んで言っているんだろう
椎奈「(…とりあえず、この事を和人お兄さんに連絡しておくか)」
私がそう思い至り、携帯を取り出した時だった。
「「きゃああああ!!」」
4人「「?!!」」
複数の女性の悲鳴が、病院のこの階に木霊した。私たちがすぐに我に帰りそこへ駆けつけると、個室で女性が一人、床に倒れて亡くなっていた───
*
しばらく経って、杯戸中央病院には目暮警部たち捜査一課が駆けつけてきた
被害者の女性は杯戸町在住の須藤怜奈さん42歳。病院に来たのは高校時代の同級生である高坂樹里さんを見舞うためで、同じく同級生の友人2人と一緒に来たらしい。死因は青酸系の毒物による窒息死だそうだ
目暮「しかし…なんでまた病院で紅茶なんかを…」
高木「入院患者の高坂さんが紅茶好きで、4人が集まるといつもお茶会をやっていたそうなので…」
目暮「ホォー」
目暮警部の体で見えにくいが、カップが真っ二つに割れ、茶色の紅茶が溢れていた。つまり、死ぬ直前まで紅茶を飲んでいたということになる。被害者の友人である3人には、全員毒を盛る機会があったというのだ
しかしここで、高木が「あーでも…」と付け加える
高木「被害者はそれまで平気で何杯か飲んでいたのに、急に苦しみだしたようですけど…」
目暮「え?」
高木「もしかしたら、毒入りカプセルとかをあらかじめ飲まされていたのかも…」