【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第10章 〜招き三毛猫の事件〜
椎奈「(…なんか、羨ましい…)」
ちらりと後ろの彼らを見て、ちょっぴり胸が締め付けられた気がした。これがヤキモチなのかもしれない。早く離れたいと思ってしまった
椎奈「…じゃあ私、そろそろ帰ろうかな」
梓「…え? でも椎奈さん、ポアロにご用だったんですよね?」
残念そうに聞いてくる梓さんに、私はさっきまでの自分を思い出し罪悪感が生まれた。
おまけに安室さんが私をジッと見てくるので、苦笑いになった
椎奈「ええ。遅い昼食をと思ってね。でももう夕方だし…明日の朝の分が家にないから買わないと…。それに、朝と昼は何も食べてなくてお腹空いてしまって…」
安室「…すいません。今なんと?」
椎奈「…え?」
普段の安室さんの声より低い声が発せられ、私は体が強張った。固まる私に再度「今なんておっしゃいました?」と聞いてきたので、同じことを言った
ちなみに、何も食べてないのは事実だ。すると、安室さんはニッコ〜と目が笑ってない笑みを浮かべ、私の腕をがっしり掴む。いよいよ冷や汗が出てきて焦り始めた
椎奈「へ?!」
安室「では椎奈さん、今晩は僕とお食事でもいかがです? オススメの料理店がありまして、そこなら食も進んで3食分賄えると思うので」
コナン「?!」
椎奈「え、いや、私は買い物が…」
安室「それもお付き合いしますよ」
コナン「じゃあ僕も行く!!」
蘭「だ、ダメよコナンくん! 私も気になるし尾行したいけど、私たちにも晩御飯があるんだから!」
コナンくんが2人きりにさせまいとしてくれるが、蘭ちゃんが複雑な本音をさらけ出しながら彼を止める。…尾行したいってさらりと言ってたことはこの際無視だ
そうして、私は結局そのまま安室さんにズルズルと引っ張られ、彼の車に連れて行かれてしまった。
軽く嫉妬した挙句、逃げる口実に使った本当の話が自分の首をさらに閉めたのだ。…まったく笑えない話である
助手席に座らされ、シートベルトまで閉められて逃げることもかなわず、彼もあっと言う間に運転席に座った。一瞬、シンと静まり返る車内。
そして車のエンジンをかけ、車を発進させると安室さんは零さんに戻ってため息をついた
降谷「3食きちんと食べないと体を壊すぞまったく!!」