【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第10章 〜招き三毛猫の事件〜
椎奈「だってその時お腹空いてなくて…」
降谷「だからってな…。お前はもう少し食べろ! そして太れ!」
椎奈「これからは毎日食べます。だが太るのは断る!」←
呆れまじりに怒ってくる零さんにキリッとそう返すと、大通りの赤信号で止まった後にハンドルに項垂れ長いため息をつかれた
トリプルフェイスで疲れたのかもしれない(確実に原因が違う)。
そして、また沈黙した。今日はもう離れたいと思っていたのに、車で2人はきつい。けれど喋らないのも変だと思って私は窓の外を眺めながら何気なく安室透に関する話を振った
椎奈「…ところで、ポアロのバイトどうです?楽しんでます?」
降谷「ん? まぁ…正直きついかな。疲れる」
椎奈「…その割には、梓さんと仲良いですよね」
降谷「そりゃあバイト先の人だからな。もしかして妬いてる?」
椎奈「……」
私は黙秘権を行使して、ただ窓の外を眺めた。
すると、クスクスと笑う声が運転席から聞こえた
降谷「ははっ。大丈夫だよ椎奈。俺にはお前だけだし、安室透が愛想笑いなのはよく知ってるだろ?」
椎奈「そりゃあ…まぁね」
そういう問題ではない。そんな意味で歯切れの悪い返事をすると、スッと右手を取られて自然な動作で口づけされた
椎奈「なっ…?!!」
降谷「信じてほしい。本当の俺は、こんなこと好きな子にしかしないから」
椎奈「あ、う、あ…」
顔から湯気が出そうなくらい熱い。口から出てくるのは言葉にならない声だった
それを見て面白そうに笑った零さんは、信号が変わったのを見るとご機嫌に車を発進させた