【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第10章 〜招き三毛猫の事件〜
椎奈「うちの子なんて、開いていた食器棚に入って自分で閉めてこもってましたから」
私が苦笑いまじりにそう言うと、「にゃあ」とユキが鳴いた。舎川さんはこのアドバイスを聞くと、「もう一度探してみるわ!」とさっそく事務所を慌ただしく出て行った
そして次、扉を閉めたコナンくんが呼んだのは雨澤さんだった。彼は自信満々に扉に近づき、そして開けた
しかし、大尉くんは雨澤さんをジッと見ているが飛びつくことはない。雨澤さんは訳が分からず焦りだした
雨澤「お、おい、どうしたんだよ?! さっきみたいに来いよ! ……来いっつってんだろ!!」
椎奈「あら、もしかして知りません?」
雨澤「え?」
雨澤さんが怒鳴ることで梓さんの後ろに隠れた大尉くんを見てほくそ笑みながら、私は彼を追い詰める
椎奈「またたびが効くのは5分〜10分くらい。それを過ぎれば、猫にとってあなたは大声で怒鳴るどっかのおっさんにしか見えないんですよ…」
その証拠に、ゴロちゃんはコナンくんの後ろに隠れて近づこうとせず、ユキは「フーッ」と威嚇して攻撃態勢に入っていた
小五郎「ま、本当の飼い主ならまたたびの粉なんて振りまいて迎えに来る訳ねぇわな」
雨澤「いや…これはその…」
安室「それにあなたは、コナンくんにその猫がメスだと言われてあっさり身を引こうとしましたよね。雑誌の写真を見て自分の猫だと確信し、わざわざ迎えに来たのならもっと食い下がるはず…。知っていたんでしょう? あの猫がメスだと、何の価値もないことを」
安室さんが距離を縮めてそう聞くと、雨澤さんが冷や汗をかきはじめた
すると、さっきからデスクの方で椅子に座る小五郎さんがつまらなそうに気になることを聞く
小五郎「価値って…。ただの雑種だろ」
安室「三毛猫のメスならそうですが、オスは染色体異常で1000匹に1匹の割合でしか生まれず、その希少価値から所謂招き猫のモデルとされていて、最低でも100万…2000万の値がついたこともあったと聞いてます」
小五郎「に、2000万円だと?!」
蘭「うそ?!」
小五郎さんは思わず立ち上がるくらい驚いていた。無論彼だけでなく、コナンくんと私を除く全員が大尉くんを見た。元太くんなんてうな重に変えて計算している