【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第10章 〜招き三毛猫の事件〜
絶対何かある。コナンくんもそう考えているようで、同じようにゴロを抱えてユキの隣に立つ。
猫が好きかとコナンくんが聞けば雨澤さんが頷き、猫たちの前にしゃがむと両手を広げて「ほら来いよ!」と言った
すると、いち早く動いたのはゴロだった。コナンくるから解放されてすぐ、雨澤さんの首元に飛びつき、ペロペロと舐めだしたのだ
蘭「うそ! ゴロって結構人見知りするのに…」
雨澤「おれは動物に好かれる体質みたいでよぉ」
椎奈「そう…。でもうちの猫は違うみたいね。1歩も動いてないし、威嚇してる」
雨澤「!!」
雨澤さんがハッと目を見開き、慌ててユキを見た。すると、全身の毛を逆立てて「フーッ」と威嚇していた
明からさまに動揺を見せた彼に、私はほくそ笑んだ
安室「では、去勢手術をしたことは覚えてますか?」
雨澤「さ、さあ? あれはそこそこでったくなってから貰った猫だからよぉ」
コナン「ちなみにさぁ、あの三毛猫、『大尉くん』なんて書かれてたけど、雌猫だよ?」
雨澤「?! あ、いや…だったら俺のじゃないかも…」
今までで一番動揺したと思う。雌猫と聞いた瞬間、彼はすぐに身を引いた。けれど子供たちが雄だと言うと、とたんに自分の猫だと言い換えていた───
*
あれからまた候補者全員には出て行ってもらって、私たちだけで最終的な飼い主を考え始めた
元太「やっぱあの兄ちゃんなんじゃね? ゴロもすんげぇ懐いてたし!」
光彦「でもおじさんの携帯の写真は大尉とそっくりでしたよ?」
小五郎「だが本人が写ってなかったからな…」
小五郎さんはそう言って、テレビの競馬を身始めた
蘭「じゃあおばさんが見せてくれた写真は?」
安室「しかしあれは子猫の頃の写真ですし…」
蘭「コナンくんはなんか思いついた?」
コナン「まだちょっと…」
どうやらコナンくんはまだ本当の飼い主の探り当て方に閃いていないらしい。私は抱きかかえているユキの体を撫でながらピコピコ動く耳にクスリと笑った
すると、さりげなく隣にやってきた安室さん。彼は小声で私に聞いてきた
安室「…どうだ? 飼い主分かった?」
椎奈「! もちろん。安室さんも分かってるよね?」
安室「当然ですよ…。はたして、小さな名探偵はどうするのか」