【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第10章 〜招き三毛猫の事件〜
ーーーそして翌朝
あれから夜通し行われた収録に、私は喫茶店を求めて歩きながらげっそりしていた。度々欠伸を噛み殺し口を手で覆う仕草をすると、足元のユキが「頑張れ」と一声鳴いた
行き先はポアロである。日々トリプルフェイスを頑張る零さんに会い、元気と彼特製のアムサンドをいただくのが目的だ。ユキも行き先がわかっているのか、なんとなく足取りが軽い
そうしてポアロが分かるまで近づいた時、ふと入り口付近に子供達と安室さんそして梓さんの6人が揃って何やら話しているのが見えた
気になった私はそのままポアロの前でみんなと挨拶を交わし、話に混じることにした。子供達が持っているのは、人気のあるグルメ雑誌だった
元太「すっげー。マジでポアロ載ってんじゃん!」
梓「そうなのよ。この前取材の人が来て本に乗るって言ってたんだけど、まさかこんなに大きく扱われるなんて思わなくて!」
光彦「梓さんも写ってますね。ほらここ! 『この店のお得意様の三毛猫の大尉くんと、美人店員の梓さん』って!」
光彦くんの言う通り、雑誌の端の方に大尉くんを抱えた梓さんが写っていた。『美人』と聞いた梓さんは顔に手を当てて嬉しそうに照れ始める
梓「もー! 美人だなんて褒めすぎたよねー!」
コナン「こういうのは多少大袈裟に書くものだしね」
梓「そ、そうね…」
椎奈「こらこらコナンくん!」
ドライな発言をしたコナンくんを、私が軽くたしなめる。すると梓さんの話は終わって次は安室さんに
元太「安室の兄ちゃんは載ってねぇのかよ?」
安室「ああ…ちょうどその日は体調が悪くて休んでたんだよ」
光彦「それは惜しいことをしましたね…」
歩美「イケメンさんなのに…」
コナン「(ま、黒ずくめの男がこんなお軽いグルメ雑誌にホイホイ顔出しするわけねぇわな…)」
椎奈「(顔出しは本職でNGだからねぇ…)」
残念そうな子供達と違い、私とコナンくんはそれぞれ苦笑いと呆れたような顔をした
安室「ところで君たち、もう一人いたと思ったけど?」
歩美「哀ちゃんなら先に帰ったよ?」
光彦「大尉を見に一緒にポアロに行きましょう! って誘ったんですけど…」
元太「急に用事を思い出したとか言ってよぉ」
すると、コナンくんが慌てて「そ、そういえば!」と無理やり話を変えた