【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第9章 〜ジョディの追憶とお花見の罠〜
萩原「しかも殺人事件が起きたのはあんたが鈴を鳴らす前だよね? あの時すでに財布をスられてたのに…。それに気づかず賽銭を入れて鈴を鳴らしたって偽ってたし」
目暮「たしかに…、賽銭を財布から出す際にスられていることに気づくはずですな…」
段野「知らないの? 賽銭箱の前で財布を開けちゃダメっていう戒め…。財布の中を神様に見られると『そんなに持ってるのにそれっぽっちしか入れないのか』と怒りを買うのよ? だから私、お参りするたときは五円玉を裸でポケットに入れてるから、財布がなくなってることに気づかなかったってわけ!」
段野がお参りマナーを理由にそう言い切ると、萩原にずんずん近づき「私が大量の五円玉を賽銭箱に入れるところをあなたが見たっているなら認めてあげてもいいけど?!」と当たった
しかし、それを聞いた松田が動じることなく証拠を突きつけた
松田「見なくてもわかるぜ? あんたの靴紐を調べればな」
段野「え?」
その瞬間、段野の顔色がサッと変わったのを松田たちは逃さない
松田「おそらく、五円玉を束ねていたのはその靴紐だ。だからあんたは現場からすぐに立ち去れなかった…片方の靴紐がないから、普通に歩けば靴が脱げちまう」
伊達「鈴を鳴らした後に靴紐を結び直したようだが、犯行に使ったならついてるはずだ…。撲殺した時に飛んだ、被害者の返り血がな」
段野「……」
高木はそれを聞き、すぐ様諦めたように俯く段野の靴紐をチェックした。
そして見つかった。被害者のものと思われる、血痕が……。
目暮「だが、何で黒い五円玉を余分に持っていたんだね? 遺体のそばに置かれた五円玉は、今回黒兵衛にスられた時に懐に入れられたものだったんじゃなかったのかね?」
段野「…それはさっきあなた方に見せた方。置いたのは去年あのスリにスられた時に入れられた…息子の命を奪った五円玉よ!!」
高木「む、息子って…」
目暮「もしかしてあなたの財布のプリクラに写っていた…」
段野「ええ、そうよ…」
肯定した彼女は、静かに語った。去年も黒兵衛のスリの被害にあった事を。そして、財布に入れられていた車の鍵が無いために、喘息持ちだった彼女の息子が、幼い命を落とした事……