【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第9章 〜ジョディの追憶とお花見の罠〜
阿笠「え、ええ…。個室が1個のトイレで用を済ませて中居くんと入れ替わりで出た時に見てしまったんじゃが…。ここは木陰て暗くて、最初は杭でも打ち付けとるんじゃないかと思ったよ」
目暮「では、犯人の顔は?」
阿笠「ほとんどシルエットじゃったからのう…。帽子をかぶっていたことと、長さ30cmくらいの細い棒を持っていたのは分かったが…」
目暮「なるほど。それが凶器だということか…」
松田「ほかに犯人の特徴とかねぇか?」
阿笠「そうじゃのぅ…」
陣平お兄さんに聞かれて一瞬考え込んでいたハカセ。しかし何か思い出したようで「おお! そうじゃ!」と声を上げた
阿笠「そういえば犯人が立ち去る時に少々足をひきづっておったわい! 大丈夫ですかと声をかけたくらいじゃから…」
萩原「足をひきづっていた?」
高木「それで、犯人は?」
阿笠「わしを無視して行ってしまい、その人が打ち付けていたのがあの女性だとわかった時にはもう人混みの中に…」
高木「なるほど」
一通り話を聞いた高木は、後ろにいる目暮と小声で話す。
高木「警部、一刻も早く立ち去りたい状況で足をひきづっていたのなら…」
目暮「うーん…。容疑者から外れるための演技ではなさそうだが…。それだけで神社に来た大勢の花見客の中から殺人犯を割り出すのは…」
不可能ではないか。そう諦めていた時、コナンくんが「もっと絞り込めると思うよ。変な物が入っていたし」と言って、ジョディがGPS発信機とお札の束のことを話した
目暮「なんでそんな物が…」
椎奈「スリの黒兵衛が一度も捕まってないなら、スられて黒い五円玉を懐に入れられるまで黒兵衛を特定できないからですよ」
目暮「おお、椎奈くん!」
人混みから苦労して出て話に入ってきた椎奈に全員の視線が注がれた。その腕の中には、さっきまで見かけなかった愛猫の姿も
椎奈「そうやって発信機入りの財布をわざとスらせて携帯で位置を把握したんです」
ジョディ「そして黒兵衛が人気のないところに行くのを待って、撲殺したんだわ」
高木「じ、じゃあ黒兵衛に財布をスられた人が殺人を?」
目暮「だが、スリは複数犯も多いから仲間同士の仲間割れの線も捨てきれんが…」
コナン「黒兵衛は単独犯だと思うよ。自分で『スリがいるわよ』って騒いでたし」