【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第9章 〜ジョディの追憶とお花見の罠〜
めったにキレることのないメンバーがピリピリして言うことは、FBIにとって致し方ないとはいえ正論。ようは協力を仰いだらどうだと言っている
何も言わず見守っていると最後に細やかな忠告だけし、彼らは私の手を取ると「じゃあガキ達んとこ行こうぜ〜」と何もなかったように走り出した
*
それから子供達と合流して色んなところを見て回っていた時だった
「スリよ〜!! スリがいるわよ〜!!」
椎奈「…は?」
少ししわがれたおばさんの叫び声が聞こえ、周りが騒がしくなった。私は刑事さんたちと顔を見合わせて頷くと、すぐにそのこえが聞こえた方へ駆け出した
すると、さっき別れたばかりのジョディさんとコナンくん。そして見知らぬマスクを付けた男性がいた。
その男性と目が合った瞬間、お互いが目を見開いた。が、相手はすぐに顔をそらして知らぬふりを始めた
椎奈「(…見たことあると思ったけど。やっぱり、あの男の人は彼なのね…)」
相手の素振りから確信を得ると視線をジョディさんに移した。
すると彼女の足元には尻餅をついて倒れていたおばさんがいて、子供達がその人を起こしてるところだった。
ジョディ「大丈夫ですか?」
歩美「大丈夫? おばさん」
?「え、ええ…。さっき私のカバンに手を入れた人がいたから慌てちゃって…」
?「たしかに、こういう人混みはスリが多いですからね」
?「ええ…。あ!!」
全員「「??」」
ようやく立ち上がったおばさんが風邪気味らしい声をした男と話しながら顔を見上げると、サッと顔を青ざめさせた
?「え、ええ…。本当、そうですねぇ。気をつけないといけないですよねぇ」
2、3歩後ずさりながら動揺した様子を隠さず言うと、そのまま彼女は人混みの中に逃げるように走り去ってしまった
松田「…なぁ、萩原、伊達。さっきのおばさんどう思う? 」
萩原「ちょっと怪しい感じがしたかな」
伊達「俺も」
おばさんが走った方を見ながら、警察組は密かにそんな会話をしていた。ジョディさんの足元にいたコナンくんも、険しい顔で同じ方を見ている
一方の私は、先ほどの女性の特徴をまとめたメールを中居努のアドレスに送った。【彼女をトイレの近くで見つけるように】と───