【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第8章 〜怪盗キッドと赤面の人魚〜
言い切るのと同時に出た世良ちゃんの蹴りが、中森警部に容赦ない一撃を繰り出した。
どこかスッキリした様子を見るあたり、やられたらやり返すタイプらしい。
コナン「(金的…)」
世良「脂汗をかいてるってことは、警部も変装じゃないみたいだね!」
直立不動になった白目の中森警部の頬を、今度は世良が笑いながら引っ張った。あの一撃の痛みを知らない女だからこそ、あの容赦ない攻撃ができるのかもしれない….
その光景を私が園子ちゃんたちと苦笑いで見ていた時だった。「らよぉ、蘭!」と声をこけ、小五郎さんが部屋に入ってきた
蘭「お父さん! 来ないんじゃなかったの?!」
小五郎「それがよぉ。テレビのニュース見てたらつい気になっちまってよ…。まぁ一応娘も心配だしな!」
蘭「一応、ね…」
中森「(まったく…警備のやつがせっかく客を締め出したのに、なんで素人共に見学させにゃあならんのだ…)」
どうやら魂が戻ったらしい中森警部が頬をさすりながら半目で私たちを見ていた
その後、キッドの予告の8時まで30分あるからと世良ちゃんがトイレに行った。外ではすでに、「キッド! キッド!」と何百人もの人間によるキッドコールが館内にまで響いていた
椎奈「(これがキッドコール…。今夜は初めてのキッドとの対面ね!)」
幾度も新一とバトルしている怪盗キッド。前世でも何回も見かけたが、それでも私がこの世界に生きる以上は直接見たかった
しかし今までその機会はなく。園子ちゃんの誘いを受けて、これ幸いと即okしたのだ
*
間も無く、予告時間だという夜の8時になる。
水槽の前に20人、そして部屋を上から見渡せる2階にサーチライトを構えた100人もの機動隊員を投入しているのだ。加えてサーチライトはバッテリーらしく、消えることもないのだという
世良「それにしても、キッドコールすごいな…」
園子「キッド様の登場まであと何分?」
蘭「えっとね…。あれ?」
携帯を取り出した蘭ちゃんが画面を開いた。けれど小さく不思議そうな声をあげ、彼女は私たちから少し離れた
中森「───つまり今回ばかりは、キッドお得意の暗闇に乗じて盗む作戦は使えんというわけだ! あーはっはっは!」
前の方に待機する次郎吉さんと小五郎さんと中森警部の方からそんな声が聞こえた