【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第2章 〜探偵たちの夜想曲(ノクターン) 前編〜
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そして、数分後には探偵事務所に到着し入ってみたが……
小五郎「誰もいねぇし…」
蘭「ホントだ…」
最初のアドレスに帰ってくる旨を伝えていたらしいのだが、事務所内は人の気配がなかった
返信もないらしく、小五郎はトイレに、蘭は私と紅茶を飲んで待とうと言って用意を始める
毛利一家と私のあとに入った安室さんは、ちらりと机の上を見ると事務所の奥へ向かう
安室「あ、蘭さん椎奈さん。紅茶を淹れるなら僕も手伝いますよ」
蘭「あ、じゃあ安室さんはティーカップの用意お願いします。椎奈姉さんはティーバッグの用意を」
蘭ちゃんから言われて、私はそのとおりにティーバッグを用意した。すると、トイレの方から小五郎さんの携帯の音が聞こえ、私や安室さんや蘭ちゃんもそちらに目を向ける
小五郎「依頼人からメールが来たぜ。たったいまコロンボに着いたから早く来てくれだとよ」
蘭「じゃあ早く行かなきゃ」
コナン「じゃあ僕も付いて行くからちょっと待ってて! 先にトイレ済ませちゃうから」
コナンくんがモジモジと体を動かしながらそう言った。すると、またメールを知らせる電子音
小五郎「また依頼人からメールだ! 急いでみんなで来てくれって…」
椎奈「(…やっぱりこの事件なのね)」
私とコナンくんの目が人知れず鋭くなった
すると、安室さんが「さぁ、急いでコロンボに行きましょう!」と言って私たちの背中を押した
最後はコナンくんも急かしてきて、私たちはすぐさま玄関の外へ…
安室「───みなさん、お静かに」
小五郎「ん?」
階段を降りようとした蘭ちゃんと小五郎さんが、安室さんの小声で言うその言葉に足を止めた
彼はドアの前で自信ありげな笑みを浮かべ、人差し指を唇に当てて静かにする合図を送る
安室「おそらくこういうことですよ…。依頼人を毛利先生に会わせたくない人物がいて、場所変更のチェーンメールで先生を追い払い、空になった探偵事務所でその人物が事務所の人間として依頼人と落ち合ったんです」
蘭「ええ?!!」
安室「その証拠に、ドアには鍵をこじ開けたような形跡がありましたし、台所の食器棚の中にはかすかに濡れたティーカップが入っていました。蘭さんの性格からして、濡れたティーカップをそのまま食器棚にはしまわないでしょう?」