【名探偵コナン】生まれ変わったら新一の姉でした。2
第2章 〜探偵たちの夜想曲(ノクターン) 前編〜
とりあえず、早く合流できるように出発しなければ。
いつも椎奈がしているように抱き上げようとすると、ユキはスルリと俺の腕を避けてコロンボへと歩き出した
まるで初めての人間に対する対応に、俺は苦笑いを浮かべながらその隣を歩き始めた
安室「(…さすが、椎奈の猫といったところか。降谷零に懐いていても、安室透の俺にはまだ懐いていないと見える)」
実は探偵事務所にいた時、ずっとユキは俺を見ていた
見た目も声も匂いも一緒なのに、まったく別の存在の安室透。どうやらそれを察知したこの子はご主人様と別行動をしてまで、俺を観察しに来たらしい
現に今も、耳をピクピク動かして足音からも俺を探っている
小さく可愛らしい探偵さんに小さく笑い、俺はボソリと呟いた
降谷「……大丈夫。『俺』は『僕』だ、ユキ」
ユキ「にゃあ!」
降谷「!」
耳がいいこの猫は、俺の呟いた言葉を聞いて、俺を見上げて一声鳴いた
その表情は、どこかスッキリしているようにも見え、俺は思わずクスリと笑った
ーーー安室・降谷side終了
その後、安室さんとユキと合流した私たちは、コロンボに入ると店の奥の席に座ってそれぞれ注文を取っていた
毛利親子とコナンくんは昼食を頼み、私と安室さんはコーヒーだった
ちなみに、ユキは店の周りをうろちょろして時間を潰している
安室「───へぇ、コインロッカーの鍵ですか」
小五郎「ああ。先日亡くなった兄の遺品から、その鍵が出てきたらしいんだが、どこの鍵だか分からないから探して欲しいってわけだ。大事なものなら棺桶に入れて送ってやりたいからってな!」
鍵には作った会社の名前とシリアルナンバーが書かれているらしく、その会社に問い合わせて納品先を聞けば大体の検討はつくのだそう
しかし、それだけ話しきると食事を再開してしまう小五郎さんに拍子抜けした安室さんは思わず尋ねる
安室「そ、それだけなんですか?依頼内容は…」
小五郎「ああ! これで30万もくれるっつー話なんだから、おいしーだろ?」
安室「た、たしかに…」
コナン「(だったらめんどくさがんなよ…)」
すっかり引いた安室さんと呆れ果てるコナンくん。私は苦笑いでコーヒーを飲みながら、ふと思い出した