第13章 旅行
仕方なく2人と1匹は歩いて目的地に行くことになった。
歩くのが面倒になったフールは猫の姿で日傘を差しているメフィストの肩に乗り寛いでいる。
二人は目的地に向かい歩きながら今回の簡単な打ち合わせ中。
「お前たち邪魔するなよ?とりあえずメフィスト、おめーの正体がバレると上手く事が進まねぇ。俺の後輩としてテキトーに名乗って大人しくしてろ!」
「クックッ、面白いですね!今回は藤本に付き合いますよ☆おっと私はこんな格好じゃまずいですねぇ」
ポンッ☆
ピンクの煙があたりに立ち込めその中からウィンクをしポーズをきめて現れたメフィストは正十字騎士団の正式な黒い團服だ。
『メフィストなんかその恰好新鮮だねw似合う似合うw』
「もちろんです☆この私が似合わないわけがなじゃないですかw」
「なんかお前ら楽しそうだな」
呆れながら溜息をつく。
そんな話をしながら進んで行くと遠くに影が見えた。
『あっ村が見えてきたねー』
「おいフール、お前もだぞ。ちょうどいいからそのままでいろよな?変身してるところなんか見られたらすぐに正体がバレちまう。今回は相手の出方を伺うんだ。俺の勘違いかもしれないが…ジャマするなよ。」
『はーい。そんなに言わなくても解ってるよー。メフィじゃないんだから。』
「フール。それじゃあ、私が空気読めない人みたいじゃないですか…」
村に近づくにつれて感じる気配。
!?
ここ…めっちゃ屍人と、屍番犬の気配が凄い……
はぁ…なんか……
嫌な感じ………
フールは無意識にも体に力が入り毛が逆立ち呼吸が荒くなる。
フールの様子の変化に気づいたメフィストが顔を見ると瞳が紅く変わっていた。
メフィストはさっと日傘とは反対の手をフールの頭に手を置くとゆっくり撫でる
「まぁ落ち着いて。大丈夫ですよ」
囁くように伝えればフールの体に入った力がスッと抜けた。
『ここ、やな感じ……』
「そうですねぇ… ここは獅朗になんとかしてもらいましょう、何せ今は私の先輩ですから☆」
2人と1匹は異様な気配を感じながら進んでいく。