第12章 出会い
名前を呼ぶと同時に空いていたもう片方の手がフールの腰を抱いた。
『///!?』
さっきまでの緩んだ顔はそこにはなく、真剣な眼差しに変わっていた。
そのままメフィストは黙って見つめている。
顔に添えられている手は少し冷たく、熱を持ち出したフールの顔には心地よかった。
無表情だった口元がフッと緩み片方の口角をあげペロリと上唇の端を舐めた。
「だからですかね…私も貴方といて飽きないのは。いやむしろ面白い。どんどん惹かれていくんです。……」
メフィストの顔が近づいてきた。
フールはそっと目を閉じる。
………………
…………
……
「で、出張中に藤本にはなにかされませんでしたか?やっぱりそこが一番の心配事なんですが☆」
パッと手を離しいつもの調子で両手をあげた。
『へっ?? んー……べつに?///』
何もなかったかのように話し続ける。
「正直に言ってください。」
あーもうキスされるかと思っちゃったじゃん……
「フール?」
『あ…ぅん。簡単に言うと獅朗に好きっていわれたぐらい?』
「ほう。それだけですか?」
『それだけ。』
他は言わないでおいた方がいいかなぁ…?
『「…………………。」』
「まっいいでしょう?フールは普段から無防備過ぎるんですよ。こんなに美しいのだからもっと気を付けないと行けませんね。男と言うのがわかっていない。。悪魔だから引き付けてしまうのは仕方ないですけど…。
まぁそれをわかっていて二人っきりの任務に出させた、そんな意地悪をしたくなる私はやっぱり悪魔ですな☆」
『なにそれ!言い寄られるのわかってたわけ??私は獅朗と友達になりたいのにぃ』
「藤本を見てれば簡単にわかりますよ。貴女に好意を抱いてることくらい☆」
もーメフィほんと意地悪!悪魔っ!!あーもうシャワーでも浴びてこよう。
なんてグチグチ言いながら浴室の方へ行ってしまった。
からかい甲斐がありますねぇ~
ほんとに可愛い人だあなたは…