第12章 出会い
翌日
フールと獅朗、シュラの3人で日本支部に帰ってきた。
獅朗はシュラを預ける施設の手続きのため別れ、休憩所で獅朗の帰りを二人で待つことになった。
休憩所に入り、シュラに椅子に座っているように伝えお茶を2つ用意をする。
シュラの前に置きながらフールは向かいに腰かけた。
椅子に座ってからシュラは不安そうな顔で俯いていた。
「アダシここで暮らせるの?」
今までとは明らかに違う小さく弱々しい声で問いかけてきた。
『シュラ、心配しなくて平気だよ。上手く獅朗がやってくれるから。』
しっかりしているようだが、まだ幼いシュラ。
外の世界を見たことがない彼女にはとても大きな負担なんだろう。
まだ不安そうなシュラに話を続けた。
『まさか永久蛇湖周辺の騒動の山姥がシュラみたいな子どもとは思わなかったなぁーシュラお母さんは??ずっと永久蛇湖に一人で住んでたわけじゃないでしょ??』
「八郎と一緒。」
『八郎??あーあのときいた蛇か。』
永久蛇湖にいた蛇神を思い出しているとシュラが話始めた。
「アダシ、30才になるまでに子供を産むって言う八郎との約束なんだ。」
『約束?』
「うん。血の契約って言ってだ。」
……血の契約……