第10章 晩餐
楽しい夕食も終わり、部屋に戻ろうとする。
『ふぅ……熱い…』
「フールは酒を飲んだことなかったのですね?」
『日本の酒は初めて…本当に美味しかったぁ~』
立ち上がり歩こうとしたときに足がもつれてがよろけてしまった。
「おっと、大丈夫ですか??飲みすぎたのでは?」
『あはは。ごめんね。!ちょっとよろけただけでしょ?』
ほんのり紅くなった顔で見上げ酔いもあるのか瞳も潤んでいた。
「はぁー………。
一緒に飲む相手が私だったからいいものの…」
『ん?』
「貴女は…今どんな表情をしてるかお解りですか?」
『どん…な…?』
「…………はぁー………藤本を帰しておいて正解でしたな…」
『?…メフィストってそんな心配性だったっけ?』
「貴女に対してだけですよ…この十数年フールと会えなく寂しい思いをしてましたから……」
『…んー?そうかな?会ってないわけないんだけど…会議とかで顔会わせてたでしょ?』
「顔を会わせただけ…………でしょう……」
『えっ?!』
メフィストに寄りかかっていたフールの膝を掬い上げ抱きかかえた。
パチン☆
指をならすと一瞬にフールの部屋に着いていた。
「さぁ部屋に着きましたよ?一人で寝れますか?……」
ギュッと首に腕を回し擦り寄った…
『………ん…寝れない…一緒に寝てくれる?…』
「可愛らしいことを言ってくれますね♪」
「…フール……今夜は…離しませんよ………」
耳元で甘く囁くとチュクチュクと卑猥な水音と吐息がフールの耳を犯していく…